《私は読者に挑戦する》
現代ミステリのラッセル車!
本格ミステリブームの復活に大貢献した切り込み隊長島田荘司のデビュー作かつNo.1。
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。
(「BOOK」データベースより)
島田荘司は高校生の時にハマったなあ~。
友達が好きで、「占星術殺人事件」も最初は友人から借りた本で読みました。
当時は御手洗と石岡のキャラにきゃーきゃー騒いでいた記憶があります。
今になってみると、御手洗と石岡コンビのどこにきゃーきゃー言う要素があるんだ?と当時の自分が不思議。
女子校の女子高生はオトコに免疫がないねえ。
その後、島田荘司を読み進めていくうちに、登場人物の好み的には御手洗&石岡ペアよりも、吉敷刑事の方にスライドしていきました。美形だしね。
しかし吉敷刑事もだんだんとショボくれたオジさんに変化してきてしまって、ちょっと残念。
まあ、キャラはどうでも良いです。
この本で重要なのは「THE・本格推理」!ミステリ!ミステリ!これぞミステリ!
初読当初はミステリというジャンル自体が若干停滞していた時期で、当時はスティーブン・キングとかのモダンホラーが私の周りでは流行ってました。あとは「グイン・サーガ」とか。懐かしいなあ。
そこに綺羅星のごとく!といった感じで、江戸川乱歩→横溝正史の流れを汲んだ、バリバリの本格推理小説が登場。
それまでミステリものに興味がなかった私でさえ、破天荒なトリックとはこういう事か!と、ミステリの目を開かせてくれた小説でした。
いやだってすごいよ?!
占星術やら理想のアゾートやら密室やらの赤鰊に翻弄されて、謎が解明されてみれば人体チョキチョキパズルだよ?!
犯人の動機の薄さに「なにもそこまで・・・」とか、今読み返せば思うところもありますが、人間の心情よりトリック重視なのが本格推理のむべなるかな。
現在のミステリジャンル隆盛は「占星術殺人事件」によってもたらされた、と言ったら言い過ぎかしら。
でも良いや。言っておこう。世のミステリファンは島田荘司に感謝するように。
そしてSFブームが去って幾久しい昨今。
SFジャンルの「占星術殺人事件」を求める、かつてのSF愛好者でありました。