神足裕司,西原理恵子「コータリン&サイバラの介護の絵本」

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老人ホーム検索サイト「みんなの介護」の人気連載「コータリさんからの手紙」で大反響!「要介護5」のコラムニストが描く愛と介護の日々―。
(「BOOK」データベースより)

かつて週刊朝日の連載で「恨ミシュラン」というコーナーがありまして。

漫画家の西原理恵子(サイバラ)とコラムニストの神足裕司(コータリン)がいろいろな飲食店に行って、当たるを幸い血祭りにあげるという内容でした。
「恨ミシュラン」、ものすごーく大好きだったんですよ!いやー面白かった。あの連載のために週刊朝日買ってた…人から借りて読んでた。

西原理恵子のマンガも面白かったですが、コータリンの文章も負けじ劣らじ。単行本は既に処分してしまったのでご紹介できないのが残念ですが、バブル華やかなりしころのアダ華でしたw

さて、その神足裕司さん。2011年にクモ膜下出血で要介護生活を送っております。介護レベルは「マジ大変」な要介護5判定。高齢者介護であれば特養入居OKレベルです。

トイレも1人でできないし、食事にも介助が必要。もちろん外出も1人ではできない。発声も不自由になってしまっているので、会話もできない。

健常者である私たちからしたら、要介護5の人というのは赤ちゃんと同じようにも思える。失礼な言い方ですね。でも意思の疎通を図れない相手だと、なぜか頭の中まで不自由なように思ってしまうのが正直なところ。

だけど、身体は動かなくても、言葉は話せなくても、コータリンがコータリンでなくなってしまったわけじゃない。

「コータリン&サイバラの介護の絵本」は、要介護5のコラムニスト・コータリンが、介護される側から見た介護のリアルを語った“絵本”です。

競技場の取材中に車椅子のボクに取材してきた人がいた。「バリアフリーが世界一と聞きましたがどうですか?」と。
紹介してきたように、普段ボクがこうだったらいいのにと思うものは揃っている。日本の施設の中では高水準。だけど、前項に書いたディズニーリゾートの水準はずっと前からそれより高く、予算がそんなにないはずの海外のスタジアムにだって、ユニバーサルデザインは普通に溶け込んでいたりするのだ。ボクは「まぁ、普通じゃないですか?」と答えた。記者の人はがっかりだったのかもしれない。「すごいですね、新しい国立は」。そんなコメントを期待していたようにも思う。
(「新国立競技場にお邪魔した」より)

この本は「絵本」とタイトルにありますが、いわゆる“絵本”の体裁じゃなくって、コータリンの文章にサイバラがイラストを添えてあるものです。

このサイバラのイラストがね。コータリンの品ある文章(異論は認める)に良い感じで下品さをプラスしております。

泣いちゃったじゃないか/コータリンが生涯で/一番きれいな文章を/書いてるよ
あんたは/もっと/汚い/人間の/ハズ/何/今ごろ/ロンダリング/してんだよ
(「久しぶりに電車に乗ったこと」より)

コータリンは喋れないのに痛いと/言葉が出たというが/もうひとつ出る扉がある
エロ/だ
私の超下品本/読ませると出るわ出るわ/下品声
(「痛い!そこ、折れてる!」より)

そういえば「恨ミシュラン」も同じ流れだったなぁ~…と、週刊朝日を借りて読んでいたときのことを懐かしく思い出しますよ。

同じように当時の週刊朝日を楽しみにしていたそこの貴方。

きっと楽しい。懐かしく楽しい。

そして思うのです。

「月日って、流れるものなんだなぁ」と。

先ほどの話に戻りますと、生活に介護が必要かつ言葉を発せない要介護者は、頭の中まで要介護状態だとつい考えがち。

しかしながらコータリンはコータリンのままなので、綴られる文章の中身は明瞭です。

丸く転がるもの好きダンスィの例にもれず、国際福祉機器展で見たトガッてる車椅子「アクショントラックチェア」にウキウキしちゃったりね。コータリンも言ってるけどこれホントに車椅子って言って良いのかな。戦車…いやガンダムの「足なんて飾りです!」のヤツに似てる。

あとはベンツで介護車両を作ってみたいと希望したりね。ハイテクと高齢者・障がい者の相性が良いとかね。

ケアマネさんとの相性の話や、リハビリがいかに大事かってことも、介護される側からの視点で言語化されている本は案外ないのですよね。

要介護5の人がどんなことを考えて、どんな毎日を送っているかを知れる(個人差はありましょうが)という意味でも、この本は貴重な気がいたします。

コータリンの文章とサイバラのイラストで「恨ミシュラン」の昔を楽しむも良し。

多くの人がいずれ至る「介護」について知るも良し。

どちらの楽しみ方でもよろしいかとは存じますが、いやぁ月日って、流れるもんですよねぇ。

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レビュアー: さくら
さくら
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