記事内に広告が含まれています

渡辺淳一「鈍感力」

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シャープで、鋭敏なことが優れていると世間では思われているが、本当にそうなのか!?医師としての経験や作家としての眼差しを通じて、些細なことで揺るがない「鈍さ」こそ、生きていく上で最も大切で、源になる才能だと説き明かす。恋愛関係、夫婦生活、子育て、職場、環境適応能力…。様々な局面で求められる鈍感力とは何か。先行き不透明な現代を生きぬくヒントが満載。
(「BOOK」データベースより)

およそ10年ほど前にベストセラーになった、故 渡辺淳一のエッセイです。
この本がベストセラーになった大きな要因のひとつが、元首相の小泉じゅんちゃんの発言。『政治家には鈍感力が大事だ』とか、そのような趣旨の発言をされてました。
 

もともと話題になっていた本が、じゅんちゃんの発言を受けて大増刷。当時の流行語大賞にも選ばれて……あれ?いま調べたら受賞履歴に「鈍感力」がない。あれ、あった筈なんだけどなあ。
ともあれ、色々と話題になった本なのは間違いありません。
 

「鈍感力」は週刊プレイボーイに連載されていたエッセイをまとめた本だそうで、連載時はちょうど「愛の流刑地」が大盛り上がりをみせていたあたり。
愛ルケも色々と話題にことかかない小説でしたので、渡辺センセエにも毀誉褒貶入り混じった反響が多かった頃ではないでしょうか。
 

世の中からどんな中傷をされても気にやまない、打たれ強さがそんな時には必要。
“鈍感力”こそが人を守る力。

いまのような国際化時代、どこの国に行ってどのような自然の下でも、さらに現地のどんな食物を食べても元気で生きていける。こうした環境適応能力ほど素敵で逞しいものはありません。
そしてこの適応能力の原点になるのが、鈍感力です。
いい意味で鈍感であるからこそ、どのような環境、どのような人々とも合わせて生きていけるのです。

エッセイの内容は、最初から最後まで鈍感礼賛。
凄いよ鈍感力。鈍感でさえあれば、出世は出来るし金は儲かるし彼女はできるし夫婦円満だし、病気にもかからずガンも治るよ。
これ、通販番組のCMだったら公正取引委員会に怒られちゃうくらいの盛りっぷりです。だって鈍感力さえあれば何でもできる四葉のクローバーかアガリクス茸なみのワイルドカードが鈍感力。

え?さすがに鈍感なだけでガンは治らないだろうって?
いえいえ、医学博士の渡辺センセエの記述でございますよ?そこは信じなくっちゃ。
——というか、信じるか信じないかが、鈍感力があるかどうかの分かれ目です。そこでデータのソースを求める層は、老人の戯言を無邪気に信じる鈍感層に比べて、鈍感力が、そもそも足りない。

ここまで読んで、「俺は鈍い」とわかった人はまさにエリート。
その鈍感さに乾杯です。

私自身に照らして言えば、私 さくらちゃんはマジ鈍感エリートコースを突き進む鈍感力の持ち主です。
そして、我が夫は自他共に認める神経質なタイプ。鈍感力の数値は、かなり低いですね。
 

で、ねえ?どっちが損か得かって比べたら、そりゃあ鈍感力が高いほうが得ですよねえ?
 

ホコリで死んだ人はいない、を題目に掲げる私と、床のキズひとつ、壁の染みひとつも気になって仕方がない性分の夫。
「これが気にならないのっ?」とよく聞かれても、気 に な ら な い しwww
 

神経質で細かい所まで目がいっちゃう人に比べて、鈍感力のある人は、そもそもそこに目が向いてないのでわからないんですよ。
わからないから気にしない、気にしないから、いつも幸せ。
 

どっちが損か得かって比べたら、そりゃあ鈍感力が高いほうが得だろうなあ。
そして割を食うのが神経質タイプ。ごめんダンナ。
 

「鈍感力」を我が夫に見せて『ほら、人間ちょっとは鈍感な方が生きやすいよ?』と言ってみようか。
『こんなモンを読んでるから鈍感になるんだ!』とヤブ蛇になりそうで怖くてできませんねー。我が夫が鈍感力を身につける日は、まだ遠い。

タイトルとURLをコピーしました