やまもとしゅうごろう
山本周五郎「四日のあやめ」
武家の法度である喧嘩の助太刀のたのみを、夫にとりつがなかった妻の行為をめぐり、夫婦の絆とは何かを問いかける表題作など9編。 (Amazon内容紹介より) 『四日のあやめ』って何だろう?と思った方へ。 この言葉は山本周五郎ちゃんの造語です。グ...
山本周五郎「与之助の花」
ふとした不始末からごろつき侍にゆすられる身となった与之助が、思いを寄せていた娘から身を引き、ごろつきを斬って切腹するまでの心の様を描いた表題作。わがままで武術自慢の藩主の娘を、一介の藩士が無遠慮にこらしめる「奇縁無双」。維新戦争に赴いた恋人...
山本周五郎「さぶ」
才走った性格と高すぎるプライドが災いして人足寄場に送られてしまう栄二。鈍いところはあるがどこまでもまっすぐなさぶ、ふたりの友情を軸に、人の抱えもつ強さと弱さ、見返りを求めない人と人との結びつきを描き、人間の究極のすがたを求め続けた作家・山本...
山本周五郎「おさん」
純真な心を持ちながらも、女の“性”ゆえに男から男へわたらずにはいられないおさん――世にも可愛い女が、その可愛さのために不幸にひきずりこまれてゆく宿命の哀しさを描いた『おさん』。芸妓に溺れ込んでいった男が、親友の助力で見事に立ち直ってゆくまで...
山本周五郎「髪かざり」
太平洋戦争中から終戦直後にかけて、著者は“日本婦道記”と題した短編を発表し続けた。初期の代表作となったこのシリーズには、未曾有の非常時にあって、古来、戦場の男たちを陰で支え続けてきた日本の妻や母たちの、夫も気づかないところに表われる美質を掘...
山本周五郎「小説日本婦道記」
千石どりの武家としての体面を保つために自分は極端につましい生活を送っていたやす女。彼女の死によって初めて明らかになるその生活を描いた『松の花』をはじめ『梅咲きぬ』『尾花川』など11編を収める連作短編集。厳しい武家の定めの中で、夫のため、子の...
山本周五郎「ならぬ堪忍」
城代家老の“御意討ち”を命じられた新八郎は、直に不正を糺すが、逆に率直な説明を受け、初めて真実を知る。世間の風聞などは信を置くに足らぬと説いた著者の人間観が現れる「宗近新八郎」。藩の“家宝”が象徴する武家の権威を否定して“人間第一主義”を強...