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高橋源一郎「誰にも相談できません みんなのなやみ ぼくのこたえ」

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「恋をしたことがありません」「夫のすべてに悪寒が走る」「就職決まらず孤独で絶望」あなたのお話、聞かせてください。人生のままならぬ悩み、どうしたらいいの?。毎日新聞「人生相談で」大反響!
(「BOOK」データベースより)

新聞の人生相談って、何であんなに面白いんでしょう。

かつて実家で購読していた読売新聞の「人生案内」もなかなかに興味深く、自分の内なるゲスい心を存分に充足させてくれていたことをよく覚えております。いまはねー、読売新聞Web版は人生案内が有料会員しか読めないのー。かといって課金してまで人生相談読みたいかって言われると…そこまでゲスじゃない、と、自らの欲望を見栄でおしころす私。

で、現在我が家で購読している毎日新聞。こちらの朝刊にも人生相談がありまして、現在は4名の著名人が順繰りに回答されております。

これがすっげー面白い!

4名の中でも特にピカ1なのが、この本に登場する作家・高橋源一郎さんです。しかし私は高橋源一郎が何者なのか実はよく知らない。小説家?ではあったような…昔に読んだことがあるような…しかし今は評論家?文芸家?文芸家ってなんだ?

結構あらまあ大変な家庭に育ちながらも超優秀な麻布中→灘中→灘高校とエリートの道を進むはずが学生運動で逮捕されて中退してガテン系肉体労働に従事して競馬にハマって小説家になって4回離婚して5回結婚してる、まあ、そんな方。

彼の回答がめっぽう面白い。毎日新聞の人生相談で回答者が高橋源一郎だと「やったあ!」と喜ぶ朝。あとはヤマザキマリさんの回答も好きなんですけどね。でもやっぱり高橋源一郎なのよ。

すごく冷たくて、すごく優しい。
相談者の「誰にも相談できません」な悩みに、時には突き放し、時には寄り添い、読んだ後にはなぜか心温まる。

実際の相談者の側にたってみれば、求めているような回答が全く得られていないときもあり、私としては高橋源一郎さんに悩み相談しようって気にはなりませんけどね。

人は何かを人に相談しようってとき、既にして「欲しい回答」を自分の中に持っている。

高橋源一郎さんは「欲しい回答」はくれませんから。

created by Rinker
毎日新聞出版
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この本「誰にも相談できません」は毎日新聞の人生相談で高橋源一郎さんが回答したものの中から100本をセレクトして掲載しています。

かなりグッとくる回答が多いのですが、1件だけ、1件だけご紹介。

この本の「おわりに」で高橋源一郎さん曰く、一番苦しんだのが相談者の相談内容を紙面の都合で短縮せざるを得なかったところだとか。また高橋源一郎さん自身の回答も600文字以内の制限に収めなければならないので、言葉が足りず悶えたとか。

でも、仕方ありません。わたしが見ることができるものは、どんな場合でも、広大な世界の中の、ごくごく一部にしか過ぎないのです。

100件の中からさくらちゃんがチョイスするのは「49歳の既婚女性が8歳下の既婚男性を好きになってしまった。向こうも自分に好意を持っているらしい。まだ距離を置いているがこのまま行くと戻れなくなりそう、どうしよう!?」って相談。

彼が呻吟して600文字以内に収めた回答文を、さらに抜粋なんてできないわ。毎日新聞Webサイトで載っけてる回答文は有料だから、頑張ってキーボード叩くわ。

ある状況に陥ったとき、人はどんな行動をとるのか。わたし自身の経験や、よく知る人たちの行いを見ると、悲しいほどに似通っているように思えます。
あなたは、生涯の半ばを越えて、配偶者もいるのに恋をなさった。それは貴重で、心躍らせるものだと思います。では、さらに相手に近づくとどうなるでしょう。関係がさらに深まり、戻ることができなくなったとしたら、その先には喜びを圧倒するような苦しみと悲しみと後悔が待っていると思います。それは、あなたではなく、誰よりも、あなた(と相手)の家族を不幸のどん底に突き落とすでしょう。あなたはそれに耐えられますか?耐えられないと思います。おそらく、悔恨の日々を過ごすことになるでしょう。
なぜなら、このような問題を誰かに相談しようと思うほど、あなたは心の弱い人間だからです。また、あなたに決断を委ねてしまうほど、相手の男性も弱い人間だと思うからです。
どんな不幸な結果が待っていようと前に進もうとする人たちは、すべてを自分で決めるはずです。他人に相談などせずに。そして、起こり得るすべての結果を受け止めるでしょう。
残念ですが、あなた(たち)に、この先に進む資格はないように思います。撤退し、ただの友人に戻ってください。後悔はあるでしょう。けれども、それも日々に薄れ、時に間歇的に思い出す程度になり、やがて忘れることができるはずです。

いかがでしょう?これ、あと99件、この本の中にあるんだぜ?
毎日新聞購読すると、この先も高橋源一郎さんの人生相談の回答が読めるんだぜ?

これはもう、皆さんこぞって毎日新聞の購読申し込みすべきでしょう。購読料の価値はある。朝刊だけなら割安よ。西原理恵子の「毎日かあさん」改め「りえさん手帖」も読めるからお得よ。

さあ皆さん今すぐ毎日新聞と検索して、サイトから購読申し込みにジャンプ!

てな訳で毎日新聞社さん、宣伝しといたのでヨロシク。
ペイバックは2割でいいです。

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