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林明子「こんとあき」

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こんは、おばあちゃんが作ったキツネのぬいぐるみ。ある日なかよしのあきとふたりで、おばあちゃんに会いに行くことになりましたが……。幼い子の心をとりこにする魅力あふれる絵本。
(絵本ナビより)

最近“怖い本”づいていたので、精神的バランスをとるためにほっこり絵本を読もう。

で、娘が小さいときからのお気に入り絵本「こんとあき」
娘のお気に入りと言うよりも、私自身がお気に入り絵本です。

でも、ほっこり系絵本かと言ったら、全部が全部そうではありません。
キツネのぬいぐるみの「こん」が切なくってねぇ~!
 

ぬいぐるみの「こん」が女の子「あき」を連れて、鳥取砂丘のおばあちゃん家へ行くお話なのですが、ガイド役の「こん」の一生懸命っぷりにオバチャン涙でちゃう。
けなげなの。ほんとーに頑張り屋さんなの。電車の切符を買うところから駅弁の配達、道案内から車掌さんとの折衝まで。
5歳の女の子よりも、もっともっとちっちゃいキツネのぬいぐるみなのに、姫を守る騎士のように「あき」を守る「こん」
何故5歳児(+ぬいぐるみ)だけで電車に乗れるんだ、とか、キツネが駅弁食べるのか、とか、そういう汚れたオトナの知恵をまわしちゃイヤン。
 
旅の途中で「こん」が犬にさらわれ、砂丘の砂に埋められて、噛まれて砂だらけでボロボロになっても『だいじょうぶ だいじょうぶ』を言い続ける「こん」
『だいじょうぶ だいじょうぶ』しかもう言えない「こん」・・・やーめーてー!オバチャンを泣かせないでー!

子供が子供である内には、時として“イマジナリーフレンド”なる存在がいるようです。
娘はどうだったかな?私はどうだったかな?

女子の場合は特に、お人形遊びの延長として、ぬいぐるみなどに架空の人格を持たせるのがごく普通でもあるので、どこからが遊びで、どこまでが演技で、どの地点からイマジナリーフレンドになるのか、境界線がよくわからないような処もありますね。
 

「こん」は「あき」のイマジナリーフレンドなのか、もしくは「あき」の遊びのなかでの演出であるのか、それとも本当の本当の本当にキツネのぬいぐるみが動く奇跡であるのか、それは誰にもわからない。
でも「こん」がどんな存在であれ、「あき」を守るガイドであり、お守り役であり、騎士であるのです。
自分がボロボロになっても、いつまでも、多分永遠に『だいじょうぶ だいじょうぶ』と「あき」に言い続けてくれる存在であるのですよ。
 

私 さくらが小学校低学年の時に買ってもらった、まっ白な犬のぬいぐるみは、さくらが食べさせてあげたチョコレートで口の周りが黒く汚れちゃったけど。
あの犬はそれでも『だいじょうぶ だいじょうぶ』って言ってくれたのかな。
昔むかしの、さくらのフレンド。
 

・・・言ってなかったりして。
ご、ごめん。犬。

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