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鳥居りんこ「親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと」

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難病に罹患した母の介護に振り回され続けた著者が、自身の介護生活を振り返り「介護者へこれだけは絶対に伝えておきたい!」という10のメッセージを掲載。これから介護を始める人はもちろん、現在介護奮闘中の人にも、胸にストンと落ちて介護生活を前向きに変えるためのヒントが満載です。
(「地球の歩き方」内容紹介より)

ブログを書こうとして、この本の出版社があの“地球の歩き方”シリーズを出している出版社である事実を知る。
あれですかね、この本、介護生活の歩き方ってヤツなんですかね。

それ(歩き方指南)が出版の主目的であるとしたなら、それはある意味正しい。

「親の介護をはじめる人へ伝えておきたい10のこと」は、『親の介護』という国に旅立つ人に向けて、その国の歩き方とコツ、危険事項について書かれた本です。あ、通貨と言語は同じだよ。

待ってるだけでは何も動かないのが介護です

介護をしたことがない人ほど上から目線でモノを言ってきます

変なプライドは捨てましょう。助けてもらえるのは訴え続けた人だけです

親の死を願ったとしても自分を責める必要はありません

理想の最期を追求するためには覚悟が必要です

上記はこの本の小題10のサブタイトルの一部です。
サブタイトルを見てお分かりのとおり、この本では具体的な介護のやり方は指南されていません。

介護保険の申請方法とか、老人ホームの探し方とか、包括とかサ高住の意味とか、そういうのは別の書籍で探して。いっぱいあるから。

この本には、この本でしか書かれていないことが、書かれています。不思議な日本語。でもそうとしか言いようがない。

つまりは、歩き方。

『介護の国』に旅立つときのに必要となる、子供としての心構えが記されています。

ちなみに著者の鳥居りんこさんは、息子の中学受験の経験談を書いた「偏差値30からの中学受験合格記」の著者の方です。これも面白いから読んでみそ。

で、その鳥居りんこさんが両親の介護と看取りを経験した自身の経験から「これやっとけ!これ考えとけ!」と介護者に声を大にして言いたいことを書いたのが本書です。中学受験も介護も、家庭の一大事という点では同じ。

ちなみにですね、私さくら自身も子供の中学受験の嵐を通り越し、今現在ホーム暮らしの認知症の父親がいて、かつ義母の看取り経験もあるという、鳥居りんこさんの人生をトレースしているような状態。

なので鳥居りんこさんにはこの先の人生、トラブルなく安泰でいて欲しいと心より願ってますw私自身のためにもw

何を言いたいのかというと、自身も経験者である私さくらとしては、この本でりんこさんが言ってることが首もげるほど頷けるってことなんですよ。

例えばですね。親の介護が必要な事態となり、兄弟間で親族会議を行って。

取りまとめ役のキーパーソンを決定したとして、そのキーパーソンがどんな役割を担うのかの説明の後にはこんなことを。

もちろん、これはほんの一例。
細かく挙げれば、まだまだ「介護タスク」は山のように出てきますが、キーパーソンにそのすべてを押し付けてはいけません。
何もかもを押し付けて、「あとはよろしく~」という状況が恒常化したら、キーパーソンは倒れてしまいます。その時に困るのは、外野を決め込んでいたその人です。

介護の「手続き」と「作業」についてだったら、いくらでも調べられます。本を読んでも良いしWebでも腐るほど載ってる。実際に相談にのってくれるところもいろいろある。

でも世の中に数多ある介護の指南本では、そもそもキーパーソンを決めておけとは書かれていません。絶対必要なのに。そして、キーパーソンにすべて任せちゃいけないってのも絶対なのに。

そして「親の介護ではどんな腹のくくり方をしなきゃならないか」については、他のどこを見ても書かれてはいないのですよ。

ある日、私は老人ホームの訪問医から唐突にこう告げられました。
「お母さんの命は、このままですとあと10日ほどですが、延命治療をしますか?」
–(中略)–
私は問答無用の待ったなしで、
「救急車を呼ばずにこのまま⇒延命治療をしない⇒10日後の死」
「救急車を読んで病院に行く⇒延命治療をする⇒数ヶ月、あるいは数年後の死」
そのどちらにするかを、今すぐこの場で選択することを迫られたのです。

そう言えば介護とは全然関係ない話ですけどね、私は脳死を人の死と位置付けているので、自分がもし脳死と思われる状態になったら直ちに脳死判定して移植できる臓器は有効活用して欲しいという希望を持っています。

だけど、既に他界している私の母がもし脳死という事態になってたとしたら(実際には違いましたが)まだ温かい身体から生命維持装置を外す決断が、私にはできたかどうか分からない。

りんこさんの本とは全く関係ない感想ですけどね。

「親の死」って、そういう決断もしなければならない可能性もあるんです。

「もう可哀そうで見ていられない!早く死ねた方が楽になる!!」
そう思っているのに、いざ母のぬくもりが消えようとすると、その命をつなぎとめようと必死に抗ってしまう自分がいるのです。

介護について調べようと思って、書籍を探してる人がいたら。

何よりもまず最初に、この本を読んでおけと強く強くおすすめします。

本を読まなくても、せめて上記のサブタイトルだけでも覚えておいて。『介護の国』に旅立った後で、本当にいつか役立つ日がくるから。

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