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松山円香「ひかりうりのぴかこさん」

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ぴかこさんはざっかやさん。でもじつは、もうひとつ、ひみつのしごとがあるんです。あるひ、ぴかこさんはおみせをとじると…。心温まるファンタジー。
(「BOOK」データベースより)

上記の写真は、東海大学海洋科学博物館で展示中のチョウチンアンコウです。
ビジュアルが、怖い。

これを絵本に描くとどうなるか。
松山円香さんが、やってみた。

——まさかの一致。

ぴかこさんの おみせは ふかいふかい うみのそこ……

うっているのは、はなのぼうしや はっぱのかばん、
うみのそこでは めずらしいものばかり。
こんなの、ほかでは みたことないよ、と おきゃくさんも ふしぎそう。

先ほどは「一致」と書きましたが、実際のところは一致してるとは言い難いですよね、いや、良い意味で。

だって、可愛らしゅうございましょ?ぴかこさん。

チョウチンアンコウのぴかこさんは、雑貨屋さん…というかセレクトショップのオーナーです。

ぴかこさん独自セレクトのお洒落アイテムが所狭しと陳列され、お客様(魚・タコ等)の入りも良くなかなかのご盛況ぶりですね。

深海で暮らすチョウチンアンコウのショップなのに、どうしてリンゴの小物入れやドングリのペンダントが並べられるのか?どこでその品物を仕入れてくるのか?

その秘密は……

「ぴかこさん、ぴかこさん、ひかりをくださいな。
うちのこ、えほんをよまないと ねないって、きかないの」

おや、だれかが さっそく、ぴかこさんを よんでいますよ。
だれでしょうか。

ここまで読んだら、ぴかこショップの仕入れ元についてはおおむね見当がつくと思われます。
ミステリじゃないのでね。謎が解明されたからそれでお仕舞いって話じゃないのよ。

でも絵本なのでね。ストーリーの説明すれば楽しいかって話でもなくてね。
ストーリーと絵とお話ことばが全部いっしょになって、それで初めて楽しいぞって思うのです。

ついでに「ページをめくる手触り」もね。この絵本は電子書籍ではなく、紙で読んだ方が素敵だなあと思うのです。やっぱ本は紙よね、紙。自分のアナログ面を再認識する今日この頃。

個人的な主観ですが、この絵本は紙ベースで読むのがおすすめです。

とてもふんわりと優しくて、落ち着いた色合いがキレイで素敵な絵本。
お紅茶など入れまして、飲みながらまったりゆったりページをめくるのもよろしいかと存じます。

ただ1つだけ、ぴかこさんの昼夜問わずの働きぶりが気になる点。

いつか身体を壊すんじゃないかと、それだけが心配よ、ぴかこさん。

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