大石圭「女奴隷の烙印」

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沙織は絶望のどん底にいた。恋人から手酷く捨てられ、仕事を失い、愛する姪は難病で莫大な治療費が必要だった。自らを売って姪を救おうと決心した彼女の前に現れた、完璧な美貌を持つ奴隷商人・サラサ。彼女にも、かつて奴隷として売られた過去があった。優秀な医学生だったサラサを襲った壮絶な運命が明かされてゆく―。龍のタトゥを背負うダークヒロイン誕生!
(「BOOK」データベースより)

もう10年近くも前の話になりますが(書き出しがババァ)一時期、大石圭にドップリはまっていたときがありました。

きっとその時期、自分の中の鬼畜度数が高まっていたのだと思われます。

村上春樹がどっかのエッセイで書いていましたね、彼は普段は菜食メインだけど、ときたま猛烈にステーキが食べたくなるときがあると。自分の体内の肉ゲージが下がり「肉、不足してまっせ、ピッピ」のサインがステーキ欲求につながるらしい。

なぜスキヤキでもなくシャブシャブでもなくステーキなのかは、村上春樹本人にも分からない。

私の体内では、自分のクズゲージが下がると平山夢明サインが点いて、鬼畜ゲージが下がると大石圭サインが点くんだ、たぶん。

『二十七万ドルはいらっしゃいませんか?とても小さくて、人形のように可愛らしい少女です。処女ですから躾け甲斐もあります。十八歳の処女を、みなさまの手で思う存分に躾けてください。さあ、二十七万ドルです。二十七万ドルはいらっしゃいませんか?』

この「女奴隷の烙印」は、かつて当ブログでご紹介した「女奴隷は夢を見ない」の続編にあたります…って、読む前には思ってました。

横浜の奴隷仲買人、倉庫街のビルの監禁部屋、港近くで行われるオークション、売られてきた少女もしくは女性に最低限の「躾」を行う調教師。

ちなみにこの調教師・桑原崇が大石圭の一番のお気にいりらしいです。「女奴隷は夢を見ない」でも登場した桑原さん、今回はさらにパワーアップして複数女子を徹底的に「躾け」ています。

もう彼が主人公って言っちゃって良いんじゃなかろうか。本来の主人公(であるらしい)奴隷商人のサラサと、最初に主人公っぽく登場してきながらその後すっかりスルーされる奴隷の沙織の立場はいかに。

「わたし、本当に売られるんですよね?」
沙織は静かに顔を上げ、女の化粧っけのない顔を見つめた。
「そうです。高く売れるといいですね」
沙織をじっと見つめて女が言った。
「そうしたら、田島さんたちが儲かるからですか?」
沙織は突っかかるような口調で尋ねた。
「わたしは井上さんのために言ってるんです」
「わたしのため?」
「はい。人は高く買ったものを大切に扱います。だから、わたしは井上さんが高く売れればいいと願っているんです」
穏やかな口調で女が言い、沙織は無言で唇を噛み締めた。

この「女奴隷の烙印」が「女奴隷は夢を見ない」の続編だと思ってた理由は上記の基本的な筋立てが同じだからなのですが、実際に読むとちと違います。

舞台となる奴隷仲買人業者の社名はヨコハマ・スター・トレーディング→港南貿易有限公司へ。

代表者名は高野さんから許サラサさんへ。

「サラ」の名前が付く登場人物は、幼い頃からムンバイの売春宿で修業をつまされた性技の達人「サラ(買われる人)」から、医者を目指してたのに奴隷に売られて紆余曲折あって奴隷商人になった「サラサ(買う人)」へ。

似てるーわからんー区別がつくようで区別がつかんー。きっとそれこそが大石圭の狙いなんでしょうけど。横浜には複数の奴隷仲買人業者がいるってことかー。横浜、恐ろしい街やー。

だだっ広いこの空間には『努力』という言葉は存在しなかった。『勤勉』という言葉も、『修練』という言葉も、『仁』も『義』も『愛』も『友情』も『信頼』も存在しなかった。
ここにあるのは、ただひとつ『欲望』という言葉だけだった。

とはいえ。

自分の中の鬼畜ゲージが低下したら、大石圭。

続編であろうとなかろうと、区別がつこうがつくまいが、そんなもん、どうだって良いです。どうやらこっちはシリーズ化されているようですが、今後の続編がどんな風に設定が変わっていったとしても、どれもどうだって良いです。

自らの鬼畜衝動を思う存分充足させる大石圭作品群に、整合性など誰が求めましょうや?

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レビュアー: さくら
さくら
レビュアー:さくら
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