中山七里「作家刑事毒島」

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殺人事件解決のアドバイスを仰ごうと神保町の書斎を訪れた刑事・明日香を迎えたのは、流行作家の毒島。捜査過程で浮かび上がってきたのは、巨匠病にかかった新人作家、手段を選ばずヒット作を連発する編集者、ストーカーまがいの熱狂的な読者。ついには毒島本人が容疑者に!?出版業界激震必至の本格ミステリー!
(「BOOK」データベースより)

いやあ、「作家刑事毒島」の何が良いって、まずはこの表紙絵ですよねえ。

オッサンの横顔が書いてあるだけの地味~な表紙、と思わせておきながら、読み終わる頃には表紙に描かれた男性のイヤらしいほくそ笑みが「そう!そう、これなのよ!」と、探偵役の毒島刑事のイメージにぴったり合致する。
性格の悪さが滲み出るような笑顔、そのまんまですねぇ~。

「才能の芽は早めに摘み取っておくに限るからね。うふ、うふふ、うふふふふ」

しかし、この短編集「作家刑事毒島」を、書評ブログで取り上げるのはちょっと勇気がいるものです。

「作家刑事毒島」は、文芸で起こった事件を、流行作家・兼・警視庁の刑事技能指導員の毒島先生(ちなみに毒島はブスジマと読みます)が解決するというストーリーなのですが、小説内で槍玉に挙げられる面々の中にはネットで書評を書いている、そう、私のような人間も居るのですよ~。特に図書館で借りた本の悪口をネット書評にアップする“図書館ヤクザ”なんてねえ、もうね、

「喩えてみればですね、デパ地下の試食コーナーで腹一杯食っておきながらハンドマイクで『この店は不味いぞお』って周囲に喚き散らすようなもんですよ。まあチンピラが飲食店で因縁つけるようなもんですな」

えーと、ああ、ご、ゴメンね。私も図書館で借りてきた本を取り上げることも多し…いや購入もしてるんだけど…悪口というより愛が勝るつもりなんだけど…えーと言い訳…ドキドキ。と、とりあえずスマン。

自分に降りかかる矢は見ないフリをして、前に進もう!(←棚上げ)

「あの事件で出版業界には魑魅魍魎が住んでいるのが分かった。世間の常識や商習慣が通用しない世界だと分かった」

東野圭吾の「黒笑小説」いくつかの短編とか、筒井康隆の「大いなる助走」とか、同じように出版業界の裏側ドタバタを描いた小説はありますが、こちらも負けず劣らずの妖怪跋扈、魑魅魍魎わんさわんさですよ。
とりあえずはミステイの体を取っているので、それぞれのストーリーともに殺人事件が勃発します(じゃないと警察の出番がないし!)被害者の人格はロクでもないし、加害者の人格もロクでもないし、それを推理する探偵役もロクでもないし。
この事件の捜査、辛いわー。警察の人って、大変だわー。

ミステリを読みながら、ミステリを忘れて、文芸関連の魑魅魍魎にイライラさせられる苦行に耐え、魑魅魍魎が完膚なきまでに叩きのめされる光景を読んで溜飲を下げるのが「作家刑事毒島」の醍醐味です。

そしてこの書籍で、一番笑ったところは、実は小説本文ではありません。
それは、単行本ラストのページの奥付にて。

この作品は「ポンツーン」(平成27年11月号~平成28年8月号)の連載に加筆・修正したものです。
この物語は完全なるフィクションです。現実はもっと滑稽で悲惨です。

もっと悲惨てwww滑稽ってwww
過去のブログ記事「寿司屋のかみさんの今夜のおつまみ」では、奥付にほっこりした記憶がありますが、こっちの奥付ではほっこりとはいかないwww

でも、「寿司屋のかみさん…」でも思ったけど、本っていいですねえ。
中に書いてある中身だけじゃなくって。表紙とか装丁とか、奥付の言葉まで含めて、全部まとめて、本なんだねえ。

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レビュアー: さくら
さくら
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