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Jean Webster「Daddy Long Legs」

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私、すごい頑張ったよ!

褒めて褒めて!誰でも良い、誰か褒めて!

…と言っても、誰も褒めてくれないこたぁー分かってます。

これは完全に自己満足の世界。だって、どうしても気になっちゃったのです。

私が当ブログで繰り返し繰り返し挙げていたジーン・ウェブスター「あしながおじさん」の翻訳の違いについて。

特にジュディ(ジェルーシャ改め)があしながおじさん(本性はジャーヴィ坊ちゃま)に宛てて、ジャーヴィ坊ちゃまに対する恋心を切々と訴える手紙のくだり。

まずは、その違いをご覧いただきましょう。

それからあの人は——。ああ、そうですわ。あのかたはああいうかた。もうどう言っていいかわかりません。彼がいないと、わたしはただ寂しくて、寂しくて、寂しくて。世の中全体が空虚で苦悶しているようです。月の輝きが憎らしいですわ。なぜといって、その美しさをいっしょにながめる彼がわたしのそばにいないからです。でも、あなたもきっとだれかを愛されたでしょうから、こんな気持ちはわかってくださいますわね?だれかを愛されたことがあれば、説明する必要がありませんし、もし愛されたことがなければ、わたしには説明できませんわ。
(中村佐喜子 訳「あしながおじさん」)

そしてジャービーさんは——そう、ジャービーさんなのです!わたしはジャービーさんが恋しくて、恋しくて、恋しくてたまりません。世界中が空っぽで、痛むほどの悲しみに満ちているようです。わたしは月の光が嫌いです。美しいのに、一緒に見るジャービーさんがいそばにいないからです。でも、おじさまもだれかを愛したことがおありでしょうから、おわかりでしょう。そうなら、説明する必要はありませんね。もし、そうでなければ、わたしには説明できません。
(岩本正恵 訳「あしながおじさん」)

そしてあのひとは——ああ、もう!あのひとはまさにあのひと、あいたい、あいたい、あいたいんです。世界じゅうががらんどうで、ずきずきしてるみたい、月の光もきらい、美しいのに。あのひとはここにいない、わたしといっしょにながめてくれない。あなたもきっとだれかを愛したことがおありでしょう。だからわかってくださるでしょう?もしあったら、説明する必要ないわ、もしなかったら、説明しようったってできない。
(谷川俊太郎 訳「あしながおじさん」)

寂しくて、寂しくて、寂しくて。

恋しくて、恋しくて、恋しくてたまりません。

あいたい、あいたい、あいたいんです。

三者三様のジュディの乙女心爆発で、いったい原文ではどう書かれていたのか、気になる人は私だけではないはず。ないはず…だよねえ?きっといるよねえ?いる。きっといる。僕は君を信じてる。

そこで、そんなニッチなご要望(あるのか)にお応えして、図書館で原書ペーパーバックを探して借りてまいりましたよ「Daddy Long Legs」

そいで頑張って打ち込みましたよ英語文章を。日本語と違って英単語は1文字1文字が私にとって未知の世界。視線はペーパーバックとモニタ画面をいったりきたり。

なので、その努力を誉めて欲しいのです。

バカって言わないで。

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では、お立合い。

私が一番気になっていた恋心爆発のくだりは、原文ではどう書かれていたのでしょうか。

And he is-Oh,well!He is just himself,and I miss him,and Imiss him,and miss him.
The whole world seems empty and aching.
I hate moonlight because it’s beautiful and he isn’t here to see it with me.
But maybe you’ve loved somebody,too,and you know?If you have,I don’t need to explain;if you haven’t,I can’t explain.

ほう。

三者三様に訳されていた「寂しくて」「恋しくて」「あいたい」は、原文では「and I miss him,and Imiss him,and miss him.」なんですね。

まあ皆様ご承知のとおり、私さくらは英語力に難点がございますので、それぞれの訳文の優劣をつけるようなおこがましいことはできませんが。

直訳だと「寂しくて」アレンジすると「恋しくて」で、アカデミー出版的な超訳をすると「あいたい」になるんですかね。どうでしょう?(←自信の無さがよくあらわれている)

ちなみにこの英文をGoogle先生が訳してみたらどうなるのかと思い、Google翻訳にかけてみました。

結果は以下のとおり。

そして彼は-ああ、まあ!彼は彼自身であり、私は彼が恋しい、そして私は彼が恋しい、そして彼が恋しい。
全世界が空っぽで痛んでいるようです。
月明かりは美しく、彼は私と一緒にそれを見るためにここにいないので、私は月光が嫌いです。
しかし、あなたも誰かを愛しているかもしれません、そしてあなたは知っていますか?あなたが持っているなら、私は説明する必要はありません;あなたがそうでないなら、私は説明することができません。

…結構、Google先生ったら、情熱的じゃないですか。

「彼は彼自身であり、私は彼が恋しい」

他のプロの翻訳者さんたちのように文章のつなぎめの整合性は取れてなくても、その分、恋する乙女心の混乱が見えてくるようでございます。いや、すごいねGoogle先生。君をあなどってたよ。

ついでにGoogle翻訳をかけたときに、上記の引用にある私が打ち込んだ英文にスペルミスがあることも発覚して(直しました)いやGoogle先生ありがと。

…と、いう訳で「あしながおじさん」翻訳1等賞は見事Google翻訳に決定いたしました(極私的に)

異論は、聞かない。

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