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滝沢カレン「カレンの台所」

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読むだけで作れる、自由で楽しい魔法のレシピ。しゅうまい、ラザニアなど30品以上掲載!
(「BOOK」データベースより)

あー好きになったよ滝沢カレン。
これまで好きでも嫌いでもなかったけど、好きになったよ滝沢カレン。

多分とり肉も、クラスメイトにいたら嬉しい生姜も好きになってると思う。男気キャベツ乙女な豚ひき肉も好きになってると思うよ滝沢カレン。

上記の「BOOK」データベースの書籍紹介文はえれーつまんないけど(引用しておきながら失礼)実際に本を読んだら、貴方もきっと好きになる。

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最近ネットで話題になっている「カレンの台所」が1冊の本としてまとめられていることを知りまして。

あー知らない?そこの貴方ご存じない?モデルの滝沢カレンさん、結構なお料理好き(で結構なお料理上手)で、インスタ投稿に添えられているレシピがなかなか大胆で奔放。一言で言えば、あらまあどうして、楽しいんですよ。

ひき肉の住所を探してあげる不動産屋は私たち

ご存じなかった方は、目の前の箱(スマホは小箱)で検索してください。ちょー楽しいから。で、いろんなレシピを読みたくなったら本を読んでください。ちょー楽しいから。

——だがしかし、この本を使って滝沢カレンのようなお料理上手になろうとすると、ちょっと難しいかも。

載っているのは「鶏の唐揚げ」「サバの味噌煮」「ハンバーグ」のようなTHE・家庭料理系から「カニクリームコロッケ」「ビビン麺」「アクアパッツァ」などの一般人あんまやんねーよな系まで多岐に渡りますが、いずれも分量は書いてない。大さじ1とか小さじ1とか、何ccとか何gとか、一切ない。

その代わりに書いてあるのは『好きにやれば?料理はフリーダム!』な男気です。

入れすぎても入れなさすぎても、あまり変わるわけではないので気にしすぎもよくないです。

とか。

あとは塩胡椒するもよし、しなくても誰も何も言いません。

とか。

お皿に移動して、どうぞそちらが自分の味です。

とか。

鶏もも肉はうまい具合に好きな形にお切りください。

とか。

うまい具合に好きな形って。

ご自分の食べたい分だけお買い上げください。

とか。

買い物のときから既に滝沢カレンの料理は始まっているのね。

そっからは漬けるだけ漬けていきます。30分から半日漬けたっていいですし、忘れて次の日まで漬けたっていいです。ただ忘れないでほしいことは、この手放してる間どんどんどんどん中の物たちは濃くいかつい味へと変身していることだけです。びっくり驚くのは自分です。

とか。

キッチン用はかりと計量カップを多用して、計量カップに液体を入れるときには目盛り線の位置をきっちり確認するタイプの人は、放り出された感でイライラするかもしれません。

大さじ、と聞いてスープ用の大きいスプーンを取り出す私のようなタイプは、大さじという概念すらないこの本に限りない包容力を感じますが。

まあ問題なのは、メシマズの誉れ高い私がこの本を参考にしちゃうと『びっくり驚くのは自分です。』のびっくりさが頂点に達するってことなんだけどね。一定の料理スキルがあれば目分量でもお好きな量でもある程度のうまみ範囲内に落ち着くところが、メシマズには限界点はないですからね。

滝沢カレンのお料理本は読み物として楽しみつつ料理のやる気だけをチャージして、実レシピはカレン流にはしないようにします……と、心配する家人に伝えておこう。家庭平和のために。

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