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赤塚不二夫,三津留ゆう,石原宙,浅野直之「小説おそ松さん」

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『オレたち、 お恥ずかしながらニート(童貞)になって帰って参りました! 』
あの六つ子が大人になって平成の世で大暴れ!
おそ松メインの「末っ子おそ松」、カラ松メインの「劇団カラ松」、
チョロ松メインの「チョロ松、深夜の大冒険」ほか抱腹絶倒の10編を収録!
(JUMP j BOOKS 内容紹介より)

今年、女子の間で異様に盛り上がったおそ松さんブーム。
アニメ放映は終わってもブーム継続中。中学生の我が娘をはじめ、周囲では未だ『おそ松さん』を求める声止まじ。
何故っ?!何故に童貞ニートに世の女子がそこまでハマる?!童貞ニート6人組に萌える要素がどこにある?!
 

「小説おそ松さん」は、我が娘が乏しいお小遣いの中から捻出して池袋のアニメイト(…)で購入してきた本です。一緒に娘の押しメン“十四松”のキャラクターブックも。
なんだか色々と親がハニワ顔になる構造なりき。
 

しかしながら、私は娘がどんな本を買って読もうと否定はしない事だけは心に決めてます。
何故なら、私自身が中学生の時に『コバルト文庫』に大ハマりした時に、自分の親から「こんな本ばっかり読んで」と言われた事があるから。
コバルト文庫って知ってる?今でいうライトノベル、昔でいう少女小説のシリーズですね。
 

自分の好きな本を読んで何が悪い!
『読書は教養』なんて、文部科学省のオッサンが言うおためごかしだ!
読書はセックスだ!(by筒井康隆)

家に新しい本があったら、それは読まずにはいられない。何故山に昇るのか?そこに山があるから。何故本を読むのか?そこに本があるから。
で、読んでみました「小説おそ松さん」
 

…うーむ。
読んでも、やっぱりハニワ~。
アニメ観ていなかった私には、そもそも状況がよくわからない~(泣)

そもそも「おそ松さん」を知らない御仁に説明致しますと「おそ松さん」とは、赤塚不二夫の「おそ松くん」の6つ子が成長して、2X歳になった姿を描いた深夜アニメです。
おそ松兄弟は20代になっても6人とも無職のニート。揃いも揃って。
彼らの父親はどんだけ高給取りなのか。6人のゴク潰しをいつまでも扶養せざるを得ないおとーさんの悲哀に涙を禁じえません。しくしく。
 

親の苦悩はともかく、6人のニートはいつでも呑気で元気。

「今日は思いっきり、羽を伸ばそうー!」
「「「「「うぇ~~~い!!」」」」」

収録短編の『夏休み』で、6人は元気に海までサマーバケーションに行っちゃったりしています。お前ら毎日夏休み。
 

でも、悲しきかな彼らはニートのプー、しかも6人とも婦女子に縁の無い毎日かつ童貞。

「ま、眩しい…っ…!」
あまりに強烈なリア充たちの輝きに、6つ子は顔の前に腕をかざした。いつのまにかカラ松も、砂の下から這い出て割れたサングラスを装着している。
「それにしても、何だ!?この圧倒的な居づらさは…!」
おそ松が喘ぐように言った。まるでこの場に自分たちが吸える空気が用意されていないような息苦しさだ。
「あ…あれは…!」
謎の強い光に圧されながらも、目をこらしていたトド松が叫ぶ。
「け、結界だ…!」
「結界…!?」
「そう、ボク達みたいな圧倒的最底辺かつ暗黒大魔界クソ闇地獄カーストの住民を寄せつけない鉄の結界…!」

リア充(リアルな生活が充実してる人)がキャッキャウフフと笑いさざめく真夏の海は、ニート童貞プーには眩しすぎる太陽のフレア。超えられない北緯38度線。
大胆なビキニガールを前に、無力で無職な男たちは、ただその場に佇むしかなかった…って、まあ、そんな感じで。
「小説おそ松さん」の収録作品10編が、無職ニートの悲哀と自虐ネタ、そして童貞の自虐ネタ含む下ネタとドタバタで構成されています。
童貞童貞って連呼されても、教育的にママン困るわぁ。だいたい“圧倒的童貞力”ってどんな力だ一体。
 

この「小説おそ松さん」は、アニメの「おそ松さん」にハマった女子なら面白いのかもしれません。
おそ松とカラ松とチョロ松と一松と十四松とトド松の区別がつかない人は、私と同じようにハニワ顔になっちゃうかもね。
あなたがどっちになるのかは、ママンにはわからないわぁ~。
でも、好きな人は好きな本を読めばいいのよ。教育上よろしい道徳的な本は、夏休みの読書感想文用にでもとっておいて。
どんな本だって、活字は快楽。
読書はセックスだ!(by筒井康隆)でも6つ子は童貞だけど。

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