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はるな檸檬「れもん、うむもん!―そして、ママになる― 」

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つわり、胎動、分娩、母乳…思うようにならない自分の体、初めて命を預かることへの緊張。ママとして最善のことをしたいのに、できない―。贅沢な悩みだと分かってるけど、シアワセだけじゃ産めません。
(「BOOK」データベースより)

我が娘がまだちっこい頃には育児マンガもよく読んでいましたが、最近娘がでっかくなっちまって、妊娠だ出産だアカンボだ云々の話もすっかり縁遠くなっておりました。
なので、育児マンガ系を読むのはすっごい久しぶり。
 

でも、読んで良かった。

「れもん、うむもん!」なんて軽~いタイトルとは裏腹に、内容はかなり重いです。
書店で本に付けてある帯を読めば、本の内容が軽~いノリとはうらはらなのが分かります。てか分かっておいて。特にBOOK OFFユーザー。中古品で帯がない状態で、表紙とタイトルだけで内容を予想して読むと、ビビるよ。
 

という訳で、未来のBOOK OFFユーザーのために、ここで事前に紹介しておきましょう。
この本は『マタニティブルー』になった、妊産婦の経験を描いた妊娠・出産・育児マンガです。
『マタニティブルー』というよりも、もっとヘビーな言い方の『産後うつ』の方が適切かも。
 

本の帯には、こう書いてあります。
「すごく幸せなのに、何でこんなに不安で孤独?」
 

あのね。子供を産んでね。
すっごくすっごく幸せです。幸せなの。幸せな筈なの。
幸せな筈だから、辛いって言いづらい雰囲気ってあるんですよ。確かに。
 

おそらくは、かーなり楽な妊娠経過を踏んで(つわり無し)かなーり短時間で楽な出産(逆子で4時間は非常に早い)をした私 さくらであっても、それは同じでした。
でね。あのね。こういう事いうと何なんですが、『ラクだったでしょ』の評価があるが故に、言えないこともあったりするんですよ。
『誰々はつわりで何も食べられなかった』とか『誰々は出産までに20時間かかった』とか。
周りの妊娠出産経験者の“大変だったのよ自慢”(ホントにこんなこと書いて良いのかな)と比べられると、大きなトラブルの無かったタイプは「ご、ごめーん、ラクで・・・」と、薄ら笑いで愚痴をひっこめるしかないんです。
 

いや、別に作者の はるな檸檬が“大変だったのよ自慢”をしているというつもりは毛頭ない。
彼女がマンガの中で書いている通り、ひとりひとりの妊娠出産は、それぞれ全く別物です。
誰かの経験値が、他の誰かに通ずる訳じゃない。
誰かと比較ができるものじゃない。

「れもん、うむもん!」を読んで、ひっさしぶりに、当時の不安感とか、情けなさとか、許せなかったこととか思い出しました。

このマンガは、妊娠・出産・育児のアドバイスになるようなお役立ち情報というのは一切ないし、もしかすると産前の人が読んだら来る出産にビビってしまうかもしてない恐れもあります。
でも彼女曰く、同じように「辛かった」って人がいたら「そうそう、そうだよねヴぇヴぇヴぇ~~~」と、手を取って一緒に泣きたいと。
 

「もし誰かが肩を抱いて、しんどいよねって、ただ横にいて、一緒に泣いてくれたとしたら、それだけできっと、前を向けていたと思う。」
(「れもん、うむもん!」まえがきより)

 

今、さくらの心中からは、妊娠出産の記憶は遠く過去にあるけれど。
最近出産したばかりの人は、もしかすると、読むとちょっと気持ちがラクになるかもしれない。
 

だから、今月お子さんが産まれたばかりの旦那友人Oさんの奥さんに、この本をおすすめしておこう。
「こんなキツい内容読ませて大丈夫なの?」って不安になるかもしれないけど。でもね。
役にはたたなくっても、読んでブルーになっても、“肩を抱いて、しんどいよねって、ただ横にいて、一緒に泣いてくれ”る本だよって。

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