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せなけいこ「ねないこだれだ」

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夜の9時です。「とけいが なります ボン ボン ボン」こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう……。いえいえ、夜中はおばけの時間。あれ? まだ寝ていない子がいますよ。おばけに なって とんでいけ! おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。シンプルなはり絵と独特のストーリーで、子どもたちをひきつけてやまない赤ちゃん絵本です。
(福音館書店 より)

こ、怖え~。
 

怖いのに何故かロングセラー。怖いのになぜか読んでしまう、せなけいこの“おばけえほん”
1969年の初版発行後、いま目の前にある「ねないこだれだ」の刷数は、2013年11月1日付でなんと堂々の第170刷。
いかに大量の幼児達を恐怖のズンドコに落としいれてきたことか。
さくら自身も、子供の頃に読んだ覚えがあります。そして、我が娘の幼少時にも、寝かしつけの折に読み聞かせておりました。
 

「ねないこだれだ」を読んだことのない、ある意味しあわせな御仁にご説明しますと「ねないこだれだ」は夜9時過ぎても寝ない子供をオバケがかっさらって、オバケにしちゃう本です。

人間復活?ないよ。帰還?ないよ。ただ、オバケにさらわれてオバケになって終わり。救いは一切ないバッドエンド。

これ、早く寝なけりゃオバケが連れてくよ、って脅し以外のナニモノでもないですわ。
かえって子供が夜泣きしそうな気がするトラウマ必至の絵本のような気がするものの、何故だか子供は喜ぶんですよねー。
いや、怖がるの。イヤだって言うの。でも読みたいの。あれはなんなんでしょうかねぇ。

しかしさくらが大人になってから「ねないこだれだ」を読み返すと、この本の中で寝る時間に想定されているのって、午後9時ジャストなんですよ。
 

夜9時、寝るか~?
 

我が娘が幼児の頃は、保育園から自宅に戻るのが19時00分頃。それから夕飯の支度して、食事をして(また子供は食べるのが遅い)お風呂に入ってエトセトラエトセトラ。
さすがに21時に布団に入るのはタイトですわ。毎日がF1レースのピットイン。
子供の睡眠時間は確保しなければという思いは当時も持ってはいましたが、いかんせん時間が。
 

そして夜9時をすぎてしまってから布団に入り、読み聞かせの絵本に「ねないこだれだ」をチョイスすると

『やべぇっ!ヤツが、ヤツがもう来る!』

迫り来るオバケの足音(いや、オバケだから足は無い)
さらに子供の恐怖倍増。
 

共働き家庭を推奨され『一億総活躍社会』を目指す平成の世では、「ねないこだれだ」の時計の針をちょっとずらして頂く必要がありますかねえ。
せなけいこさん、お願いしますよ。一億総活躍しなくちゃなんで。

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