「ママね、かんたろうがおもってるよりず~~っと、かんたろうのことがすきなのよ」ちょっとだけ、スマホを置いて、子どもの顔を、見てみよう。そこには、気づかなかった笑顔がいっぱいあるはず。世界中が感動した、シンガポールの小学生の作文『スマホになりたい』を元に、人気絵本作家・のぶみが描く、全国のママに読んで欲しい一冊!
(「BOOK」データベースより)
『子どもよりも大人に読ませたい絵本』という絵本がよくあったりしますね。
内容がダークであったり、難解であったり、ナンセンスであったり、理由は様々ですが。
この絵本も『子どもよりも大人に読ませたい絵本』のひとつとも言えます。というか、この内容を絵本の形式にした作者の意図は何なんだろう。
私と同じように、図書館の絵本コーナーへ立ち寄ったお母さんが、ふと手に取ることを期待したのでしょうか?
ママは、テレビのCMがはじまると スマホみて
テレビがはじまると テレビみて
あかちゃん ないたら あかちゃんみて
スマホ
テレビ
あかちゃん
スマホ
テレビ
あかちゃん
「いつに なったら ぼくの ブロック みてくれるんだ~!!」
正直ね、この絵本を読んでドキッとしないお母さんは、居ないと思うの。
『私はそんなことしないわよ』
『いつでも子供を見てるわよ』
自信を持って、そう言える?ホントのホントに100%、そう言える?
主人公の男の子が、スマホ漬けのお母さんに怒って文句を言いつつも、イマイチお母さんの琴線には触れません。
『ぼくとママ専用の国』をダンボールで作ったら、その中でヨシヨシはしてくれるものの、ママはその時ちょっと反省するだけで抜本的な改正はなし。
次の日ママが幼稚園に行くと、クラスで“将来の夢”についての作文発表をしていて。
我が子が描いた“将来の夢”とは…。
ママが スマホばっかり みてるから、ぼくは スマホに なりたい
図書館でこの絵本をみつけて、びっくらこきましたよ私は。今の世の中、なんて事になっちゃってるんだと。
そしてこの本についてネットで調べてみたら、これ実話を元にしているらしいのですね。日本じゃなくてシンガポールの話ですけど。
リアルに「スマホになりたい」と願う子供が存在するというのは胸蓋がれる思いです。
日本だから外国だから、という問題じゃなくてね。作文に書いたか書かないか、という問題じゃなくてね。
いや、ちょっと、ショックでしてね。
絵本の中で、子供の作文を聞いたママがどうしたか、ってのはさておき。
この絵本に出てくるママを批判することは簡単です。
だけど実際、ありえないことだって言える?
スマホというツールでなくても、常に子供のことだけを見て、子供の話に100%向きあっている?…と、我が身を振り返り物思うのです。
『罪なき者がまず石を投げよ』と言われたら、私は絵本のママに石を投げられるのか。
それがわからないから、この絵本を世のお母さん方、お父さん方に読んでもらいたいのよ。図書館で良いからさ。立ち読みでも良いからさ(いいの?)。
で、ちょっと、一緒に考えようよ。
私達は石を、投げられるかなあ。