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寄藤文平「ラクガキ・マスター描くことが楽しくなる絵のキホン」

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「傘で描く樹」、「人間で描く犬」、「骨盤で描く人物」まで、美術の先生が教えてくれないペン1本で描ける、ラクガキ秘伝の書。
(「BOOK」データベースより)

寄藤文平というイラストレーターの名前は知らなくても、「R25」のキャラクターや、JTの「大人たばこ養成講座」広告を見た人は多いはず。
そのイラストを描いてらっしゃるのが、寄藤文平さんです。
そういえば「R25」って最近駅に置いてありませんね。好きだったんだけど。無料だし。
 

その寄藤文平さんが出したのが“絵のキホン”についての指南書。
あ、ここでは暫定的に指南書と申し上げておきますが、この本により画力アップを期待する方には『いや…無理じゃね?』と忠告しておきましょう。
寄藤文平さん自身も、そう言ってます。

「どうやったら絵が上手くなりますか?」とたまに聞かれるのですが、好きなものを描けばいいのです。

ぶんなげ?
いやいや、まだ話は続きます。

ところが、どういうわけか、絵は特別な何かを描かなければいけないと思われているフシがあります。自分が好きなものを素直に描くだけで、いい絵になるのに、個性的じゃなきゃとか、想像力を働かせなきゃとか、そういうことで描くのが絵だと思われているらしい。個性なんて自分では制御できません。想像力は、何かをものすごく好きになることの先にあるものだと思います。ドアミラーを描き忘れる人が未来のクルマを想像できるわけがないのです。

だからですね。
絵を生業にしたい人(漫画家志望とか)や、美術部の好きな女の子にカッコ良いところを見せたい男子や、二科展に入選して工藤静香と並んで写真を撮りたい人は、そういう人向けの美術指南書を読めば良いと思う。
「ラクガキ・マスター」は、
『たまには絵でも描いてみよっかなー』とか、
『でも絵ぇ下手なんだよなー』とか、
『暇だなー』とか、そんな人におすすめ。
そう、あなたや私のように。

上記のAmazonページで、一部だけ「なか見!検索」ができます。
しかしながら!ちょっと見てみちゃおうかなーって人は要注意よ!本の「はじめに」で、すさまじく気持ち悪いと筆者が表現する『顔面ボウフラの巣』が目に飛び込んできちゃいます。きゃーっ。
実際の書籍だとあらかじめ『注意 ブツブツがキライな人は次のページを見ないほうがいいです。』って言ってくれているのに。アマゾンめ。アマゾンめ。
 

「ラクガキ・マスター」の面白い箇所は、「なか見!検索」以外のページにあります。
で、先ほど私は、この本で画力アップを期待する人に『無理じゃね?』と言いましたが、本当のところは、全然そんなことはありません。
まあこれを読んで工藤静香と握手するのは難しいにしても、少なくともラクガキを“自由に”“楽しく”描ける役にたつ。
 

例えばですね。

僕はいつも、樹のカタチを傘の集まりとして考えています。傘の付き方を意識して、モコモコに置きかえると、樹がちょっとリアルになる。モコモコの中に枝を感じさせられたら、マスターレベル。

『あしたのジョー』の髪の毛は正面を向きません。手前に向かってくるカタチはプロでも難しい。きっぱり「描けない」とあきらめましょう。なまじ「描けるはずだ」と思って変なことをすると絵がおかしくなります。

おそらく、動物の中でもっとも絵になるのがパンダです。カワイイ動物が描きたければなんでもパンダに置きかえることをオススメします。ただし、人間でやるとかなりハレンチ。馬はややビミョー。

ハレンチなパンダ人間の絵も載っていますが、確かにハレンチwてか不審者w

ゆるんでる人は骨盤が寝ています。その結果、猫背になってクビが前に出ます。背筋に力がないので、肩が前に出ており、腕を支えるのが面倒なので、ポケットに手を入れる人が多いようです。要するに、カラダをゆるませるとダメ系の人になる。

この応用編で「ダルい人」とか「酔っ払い」とか「ダメな人」とか人物画が書かれています。ここのダメな人、ほんとにダメw

頭の中に絵を思い浮かべることと、それを絵にすることの間には、大きな溝がある。

この本を読んで「へーっ」て感心して、イラストを見て楽しんで、たまにワハハと笑って、それで、絵を描きたくなったら、描くも良し。
描きたくなかったら描かなくても良し。
でも、いつかどこかで何かを描きたくなった時に、これまではちょっと躊躇して止まったペン先が、そのまま滑り出すかもしれない。
そうだったら、楽しいよ。って本です。
ハレンチなパンダ人間を確認したい人は、是非どうぞw

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