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はらだよしこ「はりねずみくんのあかいマフラー」

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大好きなひつじばぁばからもらったマフラーを、遊びに夢中になっているうちになくしてしまったはりねずみくん。どこをさがしてもみつかりません。なんて言っていいのかわからないまま、ばぁばの家の前にたどりつくと―。
(「BOOK」データベースより)

先日「おくりもの」のご紹介をした後で図書館に行きましたら、この絵本を見つけまして。

世の中の絵本作家は、皆ハリネズミでマフラーを連想するんでしょうか。

それとも単なる偶然の一致なんでしょうか。

ひつじばぁばが
さむがりな はりねずみくんに
まっかな マフラーを
あんでくれました。

ハリネズミの針は防寒の役には立たないのでしょうか(立ちそうもねーな)

こちらの絵本「はりねずみくんのあかいマフラー」では、マフラーを編んでくれるのは羊のひつじばぁば。自給自足ですね。

そしてこちらのはりねずみくんは冬眠はしなさそう。リアル追求派ですね。

さてひつじばぁばに赤いマフラーを編んでもらったはりねずみくん。ウキウキ気分でうさぎくんとりすくんと遊んでいたら、途中でマフラーを失くしてしまって…というお話です。

「おくりもの」のハリネズミくんと「はりねずみくんのあかいマフラー」のはりねずみくんと違うところは、ハリネズミのお腹部分の頼りなさですね。

「おくりもの」ではもってりとしていたハリにおおわれていないお腹(内側)部分が、こっちのはりねずみくんは柔毛はありそうだけどどことなく細身で頼りなさげ。

実際のハリネズミの腹部ってどうなんでしょうね?見たことないので個人的なイメージですが、こちらのはりねずみくんのように頼りなさげなんじゃないかとの印象があります。ケモノとしての弱所ですし。

マフラー失くして困ったな、寂しいな、どうしようかなという物語の状況にもそぐうような気がする。見たことないのでわかんないんですけど。

はりねずみくんは ドキドキ チクチクしてきました。

この不安げな表情が母性…というかオバチャン心を刺激します。

あらまぁチクチクしちゃうの!そうよねぇ~、ハリネズミだもんね~!

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で、失くしたマフラーはほっこり絵本にふさわしく、ちゃんとはりねずみくんの手に戻ります。せっかくひつじばぁばが編んでくれたマフラーだしね。そう言えば我が娘が子供時代に持っていた犬のマフラーも何度失くしても返ってきてたな。蘇る「わすれもの」の思い出。

良かった良かった…と仲良くひつじばぁばと喜ぶはりねずみくん。

しかし気になるのは、「おくりもの」では主人公のハリネズミくん自身がマフラーを編んでいましたが、それに対するひつじばぁばの過保護ぶりです。

「ねえ、ばぁば、うさぎくんと りすくんも ぼくみたいに さむがりなんだ。
ぼく、マフラーを あんであげられるかな?」
ばぁばは にっこり ほほえみながら、
「そうね、はりねずみくんは けいとを えらんでくれるかしら?
ばぁばが あんであげるわね」と こたえました。

子供(?)のチャレンジを温かく見守りつつ後押しするのが親(?)の役目であるならば。

ひつじばぁば、大丈夫よ。はりねずみくん教えてあげればちゃんと編めるわ。マイ針も持ってるし。どこかのハリネズミくんは編めてるし。

彼はちゃんとポテンシャルを秘めてるわ。

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