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坂木司「アンと愛情」

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成人式を迎えるアンちゃん。大人になるには、まだ早い気がするけど、それでも時間は進むし、世の中は待ってくれません。おいしいおやつを食べて、前を向いて。さあいきましょう。デパ地下から着物売り場、催事場に金沢旅行。少しずつ拡がる世界。さらに深くなる和菓子の謎。お待たせいたしました。たっぷりお召し上がりください。
(「BOOK」データベースより)
当ブログで「アンと青春」をご紹介した際に私、こんなことを申し上げました。
「赤毛のアン」シリーズは全10冊。「アンの青春」に続く3冊目のタイトルは…「アンの愛情」
次回作が「アンの愛情」ならぬ「アンと愛情」だとしたら、あれか?!ついに、あれか?ド天然の鈍感娘が、ついに気付くか?
色々な意味でのアンちゃんの成長に期待です。
モンゴメリの赤毛のアンシリーズ第3作「アンの愛情」は、アンがとうとうギルバートと両想いになる回なんです。
ついでに2人が愛を確かめ合うまでには、アンの周りにもギルバートの周りにも他の男女がいろいろとからんできて、あらあらまあまあ三つ編みおさげの女の子も、とってもオトナになったのね!という、アンシリーズの中でもキュン成分がちょっと多めの本でございます。
(なお、アンシリーズにおけるキュンNo.1は「アンの夢の家」でございます)
さて「アンの愛情」ならぬ「アンと愛情」
デパ地下の和菓子屋さんに勤めるアンちゃんも、3冊目ではいよいよ成人。色気より食い気が勝っていた彼女も、20歳のオトナになればもうちょっと艶めいた話が出てきてもおかしくない。タイトルもタイトルですし。
そう。甘さ控えめの上品な和菓子も良いけれど、ときにはゴッテリ甘いアンコが食べたいんです。
そ・し・て。
ついに出ましたよ「アンと愛情」待ってた。わくわくしながらすっげー待ってたよ坂木さん。
あれですかね、ついに立花さんが愛の告白をするんでしょうか?さらには乙女をかなぐり捨ててオスな気持ちになるのでしょうか!?
そしてアンちゃんはどう応えるのでしょうか!?
ちょーわくわくしながら「アンと愛情」を手に取った私でございます。
前言撤回。
私は白木のテーブルに両手をついて、深く頭を下げた。
あっ、ここで頭を下げているのはアンちゃんです。私でもなければ、作者の坂木司でもありません。
私としては頭を下げて欲しいくらいの気分ですけどね。いや別に坂木司にとってみれば「何でお前に頭下げなきゃなんねーんだよ」と言いたい気分でしょうが。
そりゃ…ね。わかってました。
坂木司に有川ひろ的な「裸足で逃げてー!」赤面イチャデレワールドを求めるのが間違いだってことは。
まあ、アンちゃんにイチャデレを求めるのも、そもそもの間違いでもあります。鈍感で案外理屈っぽくって色恋よりもスキルアップに目が向いているアンちゃん、だからこそアンちゃんは愛おしい存在なのでありますからね。
大体ねえ、あれですよ。アンちゃん成人式のレンタル振袖を探しに行くくだりで
これでよかったのかな。流れに乗せられるようにして決めてしまったけど。
お母さんやお父さんは自然にお金を出してくれるけど、働いている私がお金を出さなくていいのかな。それで「大人です」って言ってもいいのかな。
…けなげ…っ!(感涙)
アンちゃんウチの娘に言ってやってくださいよ。ウチの娘も来年成人式だけど、振袖探しの際にそんな殊勝な心掛けを持っていたとは到底思えない。
ああ、でもね。アンちゃん。成人した娘の晴れ姿ってのは、娘本人よりも親のごちそうなのよ。娘の振袖写真だけでご飯3杯いけるわ。
なので…なので心置きなく「昆布巻きみたい」とか言わずに着て頂戴…っ!そして親の前でクルクル回ってみせて…っ!
その姿をツマミにするだけでビール3杯飲めるから…っ!
と、愛だの恋だの色気づくよりも、親目線のほっこりワールドが相変わらず展開されている「アンと愛情」ですが、前作「アンと青春」に比べればまだ立花さんとの間に進展もある模様ですので、そこらへんについては次作に期待(←まだあきらめてない)
それよりもアンちゃんシリーズで秀逸なのは、やっぱり和菓子を食べているときの描写だと思われます。
お菓子が美味しそう、和菓子を食べたくなる。
そしたらもう、でゅるんでゅるん。
上記引用は、アンちゃんが立花さんと本わらび粉100%のわらび餅を初めて食べたときの感想です。
良くないですがでゅるんでゅるん。いかにも美味しそうじゃないですかでゅるんでゅるんでゅるんでゅるんって言いたいだけのような気もしますが、この一文を読んだとき、本当にでゅるんでゅるんの本わらび粉100%のわらび餅を食べたくなったんですよ。
他にも「豆」大福が食べたくなったり、塩せんべいにバニラアイスはさんで食べたくなったりと、アンちゃんシリーズはダイエットには不向きなシリーズだと申せましょう。アンちゃんはやっぱり、まだ色気より食い気なのか。
でも、まだあきらめてはいない私ですよ。坂木司さん次作では是非よろしく!
…と思ったら。
赤毛のアンシリーズ第4作の題名は「アンの友達」
アンちゃんシリーズに置き換えると「アンと友達」
しまった…アンちゃんと立花さんの関係は、三歩進んで二歩下がる。

 

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