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高橋繁行「土葬の村」

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これは恐らく、現存する最後といっていい土葬の村の記録である。
村人は、なぜ今も「土葬」を選ぶのか?

日本の伝統的な葬式である「土葬・野辺送り」が姿を消したのは、昭和の終わり頃とされている。入れ替わるように火葬が増え、現在、日本の火葬普及率は99.9%を超える。土葬は、日本の風土から完全に消滅してしまったのだろうか?–(中略)–日本人の精神生活を豊かにしてきた千年の弔い文化を、まだ奇跡的に残る土葬の村の「古老の証言」を手がかりに、詳らかにする。
(講談社BOOK倶楽部「土葬の村」内容紹介より)

さくらちゃんも50歳を超えましてね(きゃー)そろそろ終活も考えなくてはならないお年頃になっている訳ですよ。

「お墓」も考えておかなければならないことのひとつ。杉田家は娘しかおりませんので、娘が嫁いだ後には墓の後継者がいなくなってしまうことが想定されています(そもそも嫁げるかが問題ではある)

ちなみに私個人的には仏壇型の永代供養墓がいいなー。屋内なら墓参りも楽そうだしー。30年くらいの管理費を一括前払いして、期間が過ぎたら共同墓に移動してもらうってのがマイベストです。まあ、具体的には何の手立ても取っていないし、家族間で話し合いもしてないので、あくまでも個人的希望でああります。

「お墓」をどんな形にしようかってのは色々考える余地もあるけど、遺体は火葬にするのが大前提です。だって今の日本って100%火葬でしょ?

…と、思ったら。

日本の火葬普及率は99.9%(以上)

ってことは、0.1%(以下)は火葬以外があるってことだ。

この本「土葬の村」はその0.1%にあたる、埋葬方法が土葬の地域に関するドキュメンタリーです。

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先ほどのご説明で私、若干話を盛りました。

「埋葬方法が土葬の地域に関するドキュメンタリー」と申しましたが、この本では特に1つの村を深堀りして密着取材している訳ではありません。著者の高橋繁行さんが30年の間に取材したいくつかの地域が混在しています。

風葬や野焼き火葬など、土葬以外の埋葬方法も。日本だけじゃなくインドも含む。

結果としてこの本が妙にうすぼんやりした印象になっている点は否めない(失礼)ですが、その分幅広い各地の葬送風習を知ることができるので、それもまた一興かと。

例えばですね、今でもやってるかどうか分かりませんが隠岐の国で死者が出たときの風習として、遺体を安置している布団の枕(シニマクラ)を遺族が蹴っ飛ばしてから湯灌に取り掛かったそうです。不謹慎はなはだしい気もしますが、死者のケガレを払う行為だそうです。

あと実際に高橋繁行さんのお母様がお亡くなりになった際の四十九日法要後には、ヒトガタに成形した餅を皆で分け合って食べたとか。『わたしは頭が悪いから頭をもらう』『わしはリウマチだから足をもらう』とか、キャッキャウフフとはしゃぎながら。これ楽しそう。

とある村では火葬した遺灰を女性が人に見られないように歯に付ける(おはぐろの要領)と早く結婚できるという俗習があるとか。スリリングでドキドキしますね。

あと“泣き女”!泣き女ってご存じですか皆さん?葬儀の席でひたすら号泣する女性。故人との関係性は問わず、知り合いだろうと知り合いじゃなかろうとただひたすらに泣き、葬儀を盛り上げる役割を担っています。つまりBGM担当ね。

今では泣き女はほぼいないらしく、ちょっと残念。別に自分の葬儀で泣き女を呼びたい訳じゃないんだけど。

それ以外にもいろんな風習が紹介されていますが、なにせ30年に渡る取材分です。全部ご紹介するのはあまりにも面倒なので後はご自身でお読みください(丸投げ)

私としてはこの本で日本各地の葬送風習を知ることができたので、これを参考に自身の終活に役立てようかなと。役立つかどうかは別として。

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