さくらの書評ブログ「ほんのむし」ドキュメンタリー・ノンフィクション・事件簿に関するジャンルのカテゴリーです。
高橋繁行「土葬の村」
これは恐らく、現存する最後といっていい土葬の村の記録である。 村人は、なぜ今も「土葬」を選ぶのか? 日本の伝統的な葬式である「土葬・野辺送り」が姿を消したのは、昭和の終わり頃とされている。入れ替わるように火葬が増え、現在、日本の火葬普及率は...
高橋源一郎「101年目の孤独―希望の場所を求めて」
作家は、さまざまな場所を訪ね歩いた。ダウン症の子どもたちのアトリエ。身体障害者だけの劇団。愛の対象となる人形を作る工房。なるべく電気を使わない生活のために発明をする人。クラスも試験も宿題もない学校。すっかりさま変わりした故郷。死にゆく子ども...
渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ」
自分のことを自分でできない生き方には、尊厳がないのだろうか? 介護・福祉の現場で読み継がれる傑作ノンフィクション! 重度の筋ジストロフィー患者の鹿野靖明さんと、彼を支える学生や主婦たち約40名のボランティアの日常を描いた渾身のノンフィクショ...
北尾トロ「なぜ元公務員はいっぺんにおにぎり35個を万引きしたのか―ビジネスマン裁判傍聴記」
公務員、税理士、部長・課長、タクシー運転手、専業主婦…善良な人が罪を犯し、まさかの転落した切ない実話33。人には誰にも「別の顔」がある。 (「BOOK」データベースより) いま麻薬取締法違反の罪に問われている沢尻エリカの公判に関する新聞記事...
宮下洋一「安楽死を遂げた日本人」
理想の死を求めてスイスに渡った日本人に密着した、圧巻のルポルタージュ。講談社ノンフィクション賞受賞作、待望の続編! (「BOOK」データベースより) 前回の記事で採りあげた「わたしの天国でまた会いましょうね」1994年日本出版時から今年で2...
クリステル&イザベル・ツァヘルト「わたしの天国でまた会いましょうね」
どこまでも強く明るく生きぬいた青春。16歳の少女が悪性腫瘍と闘った一年間。そして尊厳死を選ぶまでの日々。ドイツの娘と母の感動ノンフィクション。 (「BOOK」データベースより) 尊厳死と安楽死。この2つ、何が違うか知ってます? 尊厳死は、延...
多田文明「ついていったら、だまされる」
振り込め詐欺にデート商法、出会い系サイトに悪質オーディション…かの「キャッチセールス評論家」が、世の中のありとあらゆるだましのテクニックを、涙ながらの体験取材で徹底解剖。 (「BOOK」データベースより) 過去に当ブログで採りあげた多田文明...
菅野久美子「超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる」
死ぬ時は、誰もが一人。日本では、孤立状態1000万人、年間孤独死3万人。救済の手立てはあるのか?気鋭のノンフィクションライターが、知られざる最後の“後始末”の実態に迫る。 (「BOOK」データベースより) 【特殊清掃】 遺体発見が遅れたせい...
新田次郎「八甲田山死の彷徨」
日露戦争前夜、厳寒の八甲田山中で過酷な人体実験が強いられた。神田大尉が率いる青森5聯隊は雪中で進退を協議しているとき、大隊長が突然“前進"の命令を下し、指揮系統の混乱から、ついには199名の死者を出す。少数精鋭の徳島大尉が率いる弘前31聯隊...
押川剛「「子供を殺してください」という親たち」
自らは病気の自覚のない、精神を病んだ人を説得して医療につなげてきた著者の許には、万策尽きて疲れ果てた親がやってくる。過度の教育圧力に潰れたエリートの息子、酒に溺れて親に刃物を向ける男、母親を奴隷扱いし、ゴミに埋もれて生活する娘…。究極の育児...