中部ヨーロッパの自然や街並みを背景に、克明繊細な筆使いで旅の楽しさを描きだした絵ばかりの絵本。世界各国の子どもたちが喜んでいる、心おどる絵本です。
(旅の絵本(中部ヨーロッパ編)「BOOK」データベースより)
私 さくらの中学校の図書室に置いてあった絵本。
このシリーズとっても好きだったんですけど、今にしてみるとどうして中学校の図書室に絵本が並んでいたんだろう?情緒安定効果?
ああ、我が〇〇中学校よ。今は亡き我が母校よ。〇〇中学校は平成に入ってすぐ合併により廃校となり、元中学校だった敷地には今じゃ老人ホームが建っています。
そういえば私の通っていた小学校も中学校も、ついでに幼稚園も高校も廃園・廃校・校名変更等でなくなってしまっているのですけどね。履歴書が…書けない…。
さて。本題の「旅の絵本」これ良いですよ。良いですよ。
わかりやすく説明すれば「ウォーリーを探せ」みたいな絵本です。文字は一切なく、こまかーい絵がコチョコチョコチョコチョ書いてあって、その中に潜んでいるあれやこれやを探すタイプのやつ。
ウォーリーは登場せず、主人公となるのは三角帽子に青い服着た旅人。この人とっても放浪者でして。
「旅の絵本(1)」では中部ヨーロッパを旅していますが、その後もイタリア・イギリス・デンマーク・アメリカ・スペイン・中国・スイスにも足を伸ばしています。
日本にもご来日~。とはいえ現代の日本じゃなく、江戸かねえ?まだ電気のなかった頃の日本が舞台です。
三角帽子に青い服の旅人よ…君は時空すらも旅するのか…。
絵本に登場する各場面では、それぞれの国・地域の自然や建物、住人、風俗等が描かれています。で、これを細かく見るのが楽しいんだ。
過去にこのブログで、「旅の絵本」作者の安野光雅さんが挿絵を描いた「あしながおじさん」をご紹介したのですけどね。
あとがきにこんなことが書いてありまして。
アメリカの大学で私の『旅の絵本』(アメリカ編)の中に、何が書かれているかを徹底的に調べたクラスがあった。その時『あしながおじさん』の本の中から引用したものがある。うろ覚えだが家の扉に書いた。この著者も絵を描くのだ。
著者(ここでは私のこと)は何でも知っている、いろんなものが隠されている、それを見つけて(著者のレベルにまでいくのはたいへんだ)、そんな風に考えてくれるのはうれしいが、隠す方が見つけるよりも楽なのである。探す人は、『あしながおじさん』とこの絵本と二つともに詳しく見ていないと分からないことになる。
(「あしながおじさん」安野光雅 あとがき より引用)
そうなのよそうなのよ。アメリカのどこかの大学のセンセーと同じ。何が書かれているか何を意味しているのか、チマチマチマチマ探していくのがとっても楽しい。
上記引用にもありますが、隠されている「いろんなもの」についてあらかじめ知識がないと魅力も半減してしまうので、子供向けの絵本というより大人向けの絵本です。年くった分だけ、世の中に対する知識もあるに違いない…多分…。
さくら中学生時分に読んでいた「旅の絵本」シリーズ、今でも新刊が出て、三角帽子に青い服の旅人さんも、まだまだ旅を続けている様子。
旅のラゴスのように、いつまでも旅を続けるのかしら?
次はどこの国にお出かけするのかしら?
安野光雅さん、次はアフリカあたりがいいな。
お茶飲みながらゆっくりと、隠されたアフリカの風俗を探します(詳しくないけど)もちろんBGMはTOTOの「Afirica」で。