森のはずれでバレエに出会った、まっ白な子うさぎ。一目で優雅な世界に引きこまれてしまいました。うさぎだけど、踊りたい!勇気を出して扉をたたいた子うさぎを、先生は優しく迎えいれてくれます。さあ、リズムに乗って1、2、3♪楽しげな様子に、他の子うさぎたちも集まってきて…。―「好き」はすべての原動力!知らない世界に飛び込む勇気を、後押ししてくれる一冊です。
(「BOOK」データベースより)
お嬢さんが最近バレエをはじめた、お母さん。
大人になってからバレエにチャレンジしはじめた、がんばりやさん。
うさぎ好き、モフモフ好きの、女の子ちゃん。
とにかく可愛いものに目のない、あなた。
——これ、おすすめです。
可愛い。めっさ可愛い。鼻から醤油を噴き出すくらい可愛い。
顔の下半分を醤油まみれにしながら、お届けします。
おんがくに のって アン、ドゥ、トロワ
タンデュ アラベスク
つまさき のばして アン、ドゥ、トロワこうさぎは うれしくて しかたありません。
だって おどれるんですもの。
私の知人に、図書館で読み聞かせの「おはなし会」をやっている人がいまして。
「おどりたいの」は、その方が最近の「おはなし会」で採りあげた本だそうです。
実は、本のチョイスに関してはちょっと意外でした。
絵本と一口に言っても、子どもの読み聞かせに向いた絵本・向かない絵本というのがありまして。
例えば、最近人気のヨシタケシンスケさん。あの人の絵本は一部を除き、かなり不向き。
「おどりたいの」も、然り。
読み聞かせを喜ぶ対象年齢の小さな子どもよりも、むしろ保護者のお母さんにウケそうな“大人の絵本”です。
知人も長年図書館で働いて、読み聞かせの絵本チョイスには長けたベテランさんですが、はて何故この絵本をチョイスしたのだろう?
「だって、どうしても読みたかったんだもの~!」
…うん、わかる、わかるよその気持ち。
向いてようが向いてなかろうが、そんなのどうでも良い。
そう思わせるだけの、大人女性の乙女心にズンとくる100%の可愛らしさが「おどりたいの」にはあるのです。
「まあ めずらしい おきゃくさま。
あなたも バレエを ならいにきたの?」こうさぎは ありったけの ゆうきをだして
こくりと うなずきました。「うさぎが おどるの?」
「ほんとうに?」
ざわざわとした こえが きこえてきます。
こうさぎは すこし ふあんになりました。
上記引用のページで、バレエ教室の扉に手をかけてバレリーナさん達に見下ろされているこうさぎちゃんの姿ときたらっ…!
真っ赤なほっぺたと不安げなまなざし、うさぎのもっちりとしたおしり。
いやもう、暴力的な可愛さです。醤油出る。鼻から醤油出る。
バーに手が届かないこうさぎちゃんのために、ハードカバーの本3冊重ねて手すりもどきを作ってあげたりね。
チュチュを作るために白いバラのはなびらを重ねたりね。
どのページを見ても『かわえぇ…』しか言えない、さくらの語彙の貧弱さよ。
そして、森の奥でこうさぎダンサーズと人間ダンサーズが一緒に踊るラストシーンには『かわえぇ…』のひとことすら言えません。
心臓がきゅんきゅんする。誰か「救心」持ってきて。動悸息切れめまいがする。あんまりにも可愛すぎて。
と、いうわけで。
お嬢さんが最近バレエをはじめた、お母さん。
大人になってからバレエにチャレンジしはじめた、がんばりやさん。
うさぎ好き、モフモフ好きの、女の子ちゃん。
とにかく可愛いものに目のない、あなた。
——に、この絵本、おすすめです。
なんだか結局「かわいい」としか言ってないような気がしますが。
いやホントにもう、暴力的な可愛さですから。醤油出るから。鼻から醤油出るから。