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はらふう,はらひで「おそろしくへんなローリー」

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あなたはどう?へんな子じゃない?絵本出版賞最優秀賞受賞。
(「BOOK」データベースより)

 

哲学絵本、というジャンルがあるそうな。

ちょいと調べたところ、哲学絵本とは「楽しい」「面白い」よりも「考えさせる」を主軸とした絵本だそうです。まあ「考えさせられる」は前の2つとも両立しますし、別に哲学絵本が面白くないってわけじゃありません。

で、この「おそろしくへんなローリー」も哲学絵本のひとつだそうです。

この絵本の奥付部分には、編集部からのコメントが記載されています。

【編集部より】
この本は、父と娘による「大人の絵本創作ユニット」で作られた。
作品は、ある人からはハッピーエンド、またある人からはバッドエンドと評される。
「怖すぎる」と二度と読まない人もいるが、「考えさせられる」と何度も読む人もいるだろう。
物語は読者に委ねられ、読者によってその様相は変わる。
いわば、2人の作品は“オープンエンド”。終わりが決められていないのが魅力だ。

コメントが哲学っぽい、気も、する。知らんけど(突如関西人になる)

「おそろしくへんなローリー」を読んで考えさせられるかどうかについては、編集者さんの言うとおり「読者によってその様相は変わる」でしょう。

ただ、この「おそろしくへんなローリー」は、「おそろしくへんな絵本」ではあります。

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上記のアマゾンの表紙絵をご覧頂ければお分かりのとおり、この絵本の絵は「素敵!」とか「奇麗!」とか「可愛い!」とかでキャッキャキャッキャする類の絵では決してございません。豊福まきこ「おどりたいの」とは対極。細密ではある。好む人はいるであろう。

ただ、この絵を見て「可愛い!」と叫ぶ女子とはちょっと距離を置こうかなと思ってるよ、私は。

©はらふう,はらひで

えーとそれでですね。「おそろしくへんなローリー」がどんなお話なのかと言いますと。

なかなか、説明するのが難しい。

おそろしく変なローリーちゃんが出てきます。

ローリーちゃんは変わった子です。皆と同じことができません。同じものも好きじゃありません。

同じものがたくさんならぶと、怖いからだ。
体が、ぶるぶるふるえてしまう。

ある日ローリーちゃんが森から帰ってくると、パパママ含む3人の家族が“同じものコレクション”に変わっていました。

「同じは幸せ」
「同じは便利」
「同じは安心」
「同じはらくちん」
「同じなら何も考えなくていいのさ、いいのさ、いいのさ」
呪文らしきものは何日も続いた。

13日後にとうとう耐え切れなくなったローリーちゃんが、3人に向かってあることを言うと…。

ああ、なんてこと。

“同じものコレクション”の渦に巻き込まれたローリーちゃん。勘の良い方であれば、この先のローリーの運命を予見するかもしれません。

ですが、そこで終わりじゃありません。二転、三転します。

何がどう二転三転するのかは実際に絵本をお読みいただきたいのですが、問題なのは二転しようと三転しようと、どの時点で話が終わっても救いはどこにもない結末になってしまうことです。

「おそろしくへんなローリー」は確かにいろいろ「考えさせられる」絵本ではありますが。

編集者のコメント通り「物語は読者に委ねられ、読者によってその様相は変わるかもしれませんが。

あのう…編集者さん?この絵本を読んで“ハッピーエンド”だと評した方は、いったいどこにいらしゃるんでしょうか。

もしいたら教えてください。その人とはちょっと距離を置こうかなと思ってるよ、私は。

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