このはこ、なんだっけ?
あかない はこ。
ふると、”コソコソ” おとがする。
「はこ」と「女の子」をめぐる、静かな恐怖の物語。あなたを恐怖の世界へとじこめる。
(「BOOK」データベースより)
当代の人気作家と絵本作家がタッグを組んで、子ども向けの「怖い」絵本に挑戦する「怪談えほん」シリーズ。
目指せ怪談えほんシリーズコンプリート。
いや、このところ暑いっすからね。怪談話で涼んで頂きましょうと。
皆さんの周りで、開かないはこがあったら、ご用心。
なおかつ、お母さんが騒がなかったら、ご用心。
この「はこ」のお母さん、何事にも動じず冷静なだけに、それが怖~い。
深読みしてしまうと母親が…いやいや、深読みはすまい。
それはそれで、開けてはならぬパンドラの箱。
クローゼットが
あかなく なっちゃった。
ノックすると、
ベチャベチャ おとがする。
最初はメダカのエサなのね。
エサの箱が開かなくたって、誰も困りはしないのね。お麩でも与えとけってところでね。
開いたときに箱の中身がカラだったとしても「あれ?もう無くなってたのかな」で気にしないのね。
でもね。
次はね。
ハムスターなのね。
開かない引き出しが開いたときには、小さな骨のかけらがあったのね。
じゃあ、クローゼットはどうだろう?
クローゼットが開かなくなる前には、犬が居なくなっていたんだよ。
クローゼットが開いたときには、何が残っているのかな?
また だれか いなくなるのかな。
また なにか あかなくなるのかな。
女の子は不安になって、大好きなおかあさんが居なくなるんじゃないかと心配で心配で。
走って帰ってきたのに、冷静沈着なおかあさん。
影の長い夕暮れ時、おかあさんが女の子にかけた言葉は何か。
女の子の、ギュッとした不安。
また だれか いなくなるの?
いなくなるのは だーれ?
そして、いなくしたのは、だーれ?
深読みしてはなりませぬ。開かない箱の謎を探るのは、それはそれで開けてはいけないパンドラの箱。