日本でいちばん食べられている野菜、大根。生でも煮てもおいしいけど、味の引き立て役に徹しているような奥ゆかしい感じがします。大根は、もっと主張してもいいのでは…。2019年第24回日本絵本賞受賞。
(「BOOK」データベースより)
「大根はエライ」とのタイトルに対して、表紙絵(下記のアマゾンリンクで見られます)の大根は「そんなことないってば」と自己否定。
表紙で、すべて、完結!
大根の何がエライのかってのはさておいてね、ちょっとこの絵本の著者を確認してくださいよ。
「孤独のグルメ」の久住昌之さんなんですよ。
久住昌之(敬称略)については当ブログにおいても「かっこいいスキヤキ」のご紹介をしたことがありますが(著者名の泉昌之はユニット名です)、ちょ、え、絵本ですか。あの久住昌之さん(継承有り)が。初めてこの本見た時には同姓同名の別人かと思いましたよ。
内容的にも絵面的にも『やっぱり男はキンピラゴボウよ!』と、イメージが違いすぎるwww
それでですね。大根の何がエライのかって言いますと。
いやでも考えてみたらすごいと思いません?大根って。煮ても焼いても生も良し、干したらタクワンにも切り干し大根にもなるし。大根おろしや刺身のツマなど、どんな形状に変わったって使えるし。
和洋中(ポトフにも合うそうな)どれでもOKの汎用性の広さに加え、食材としてだけでなくノドの痛みやニキビの治療薬にだってなる。
あーすげえ大根。
エライ大根。
なのに大根は「大根足」とか「大根役者」とか蔑みの対象になってて、それでも地味に頑張ってる。エライ、エライぞ大根…と、いう内容です。
この絵本はですね、もともと「たくさんのふしぎ」という月刊科学絵本の中の1冊だったのです。
月刊科学絵本とは何ぞや?と思った方に説明。絵本出版社の福音館書店では毎月絵本を「雑誌」として発行しているのです。小さい子を持つお母さんならきっと知ってる「こどものとも0.1.2」とかね。
「たくさんのふしぎ」は、子供向けに楽しく“ふしぎ”を理解もらおうとする小学校中学年向けのシリーズ。“ふしぎ”は自然・環境・人間の生活・歴史・文化・数学・哲学…と多岐に渡る、とは福音館書店の受け売り。
どうして“あの”久住昌之(敬称略)が「たくさんのふしぎ」の執筆群に名を連ねることになったのかは不明。久住昌之(敬称略)の他の仕事とは異質なジャンルで、どうして仕事を引き受けることになったのかも不明。
いたいけなお子様の情操教育に誠によろしい「こどものとも」のオトモダチに「かっこいいスキヤキ」の本郷さんが侵食する、その事実こそが出版業界の“たくさんのふしぎ”。