あるところに4ひきの小さなうさぎがいました。名前はフロプシーにモプシーにカトンテールにピーターといいました。いたずらっこのピーターは、おひゃくしょうのマグレガーさんの畑にしのびこみ…。1971年初版の新装版。
(「MARC」データベースより)
先日このブログでハリーポッター映画の出演女優エマ・トンプソン(エマ・ワトソンに非ず)が書いたピーターラビットの新作絵本「ピーターラビット クリスマスのおはなし」をご紹介しました。
特にピーターラビットが好きでも嫌いでもない私ですが、それを機にピーターラビットのことが妙に気になっている今日この頃。
何が気になっているのかと言うと、ピーターのお父さんのことなんですよ。
実はピーターには、もうすでにお父さんはいらっしゃいません。
あるあさ おかあさんが いいました。
「さあ おまえたち、野はらか森のみちであそんでおいで。でも、おひゃくしょうのマグレガーさんとこの はたけにだけは いっちゃいけませんよ。おまえたちの おとうさんは、あそこで じこにあって、マグレガーーさんのおくさんに にくのパイにされてしまったんです」
おうっ…に、肉のパイ。
この文章がピーターラビット第一作の2ページ目にさっそく書かれているのですから、イギリス農村地帯のウサギがいかに過酷な人生(ウサギ生)を送っているのかが、よくわかるではありませんか。若竹七海の「悪いうさぎ」どころの過酷さじゃないよ。
さて話は変わりまして、ピーターラビットには日本版の公式サイトがございます。
公式サイトではピーターをはじめとする主要人物(主要動物)たちのキャラクター紹介のページもございまして。
そのページのURLがこちら。まずは、ちょっとここ見てきてよ。
…見た?
…キャラ紹介の、お父さんが、パイ!
きちんとキャラ説明文にも「ピーターのおとうさん/マグレガーさんのおくさんにパイにされた」と記述されています。堂々とアフターパパン(パイ)載せている公式サイトにびっくりです。
ですけれどもね、私、以前から疑問だったんです。
ピーターパパがパイになった事実は上記の引用のとおりママの発言によって明かされていて、そこにはパイになったパパの姿は描かれていません。「ピーターラビットのおはなし」の他ページでも同様。
…じゃあ、このパイ、なんだ?
ビアトリクス・ポターが書いたピーターラビットの絵本は、全部で24冊あります。
もしかしたらこの「ピーターラビットのおはなし」には描かれていなくても、シリーズの他23冊のうち、どこかにパイパパの姿が登場しているのでは!?
そう思った私は、ピーターラビットシリーズ全24冊を全て図書館で借りてきました。
いざ、パイパパ探し。
しかし私って、よっぽど暇人なんだなぁ。
…しかし私の努力は、すべて無駄骨に終わりました。
あのね、ピーターラビットのシリーズ全24冊をすべて読んでも、どこにもパイになったパパの姿が描かれてないの!パパがパンになった事実についても、他の絵本では一切記述がありません。
どういうこと!?じゃあこのパイ何!?このパイには、何が、誰が入ってるの!?
(ちなみにピーターラビット絵本24冊とも、表紙の見返し部分ではパパパイ(仮)を取り囲むピーターラビットと仲間たちの姿が描かれています。この絵面もなかなかシュールですよね)
しかし、ピーターラビットシリーズ24冊を読破しても、解決されないパパパイの謎。
もんのすごい、不完全燃焼です。
どなたか当ブログをお読みの方で、あのパイがなんなのかご存知の方はいらっしゃいませんでしょうか。
このパイはどこから出てきたのか、中に入っているのは本当にパパなのか、だとしたらどこでどうやって出てきたのか。
誰か教えてください。本当に謎なんです。
ああわからない。謎が謎呼ぶ殺人事件。林檎殺人事件改めウサギ殺人事件。