桐島洋子 「聡明な女は愉しく老いる」

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とっておきの料理!とっておきの癒し!とっておきの旅!とっておきの出会い!エイジングは神の恵み、だから80代は面白い!
(「BOOK」データベースより)

かつて当ブログで「聡明な女は料理がうまい」をご紹介したことがあります。亡母の所蔵本でした。

今でも私の本棚に残されている「聡明な女は料理がうまい」をたまに読み返す私。我が娘もこの本の中で紹介されているフローズンクッキーを作るために、本棚から引っ張っていって開いているのです。

…そして杉田家に脈々と受け継がれていくウーマン・リブの魂!
料理本の体を打ちつつ“自立した女”の意義を擦りこんでいかんとする桐島洋子の恐ろしさを感じます。怖ぇー怖ぇー。

果断な決断力、大胆かつ柔軟な発想、ゆたかな包容力…。世に「男性的」といわれる資質こそすぐれた料理人の必要条件だ。それなのに男達が女を差別して...

上記の本が出版された1976年から、今年2020年までに44年もの歳月が経ちました。

著者 桐島洋子さんも御年83歳。ちなみに我が母が生きていれば今年で84歳。

母と同年代の女性が、どのように「愉しく老い」ていったのか、母がこの本を読んだらどう感じたのか、ちょっと気になった次第です。

八十代を迎えて今、海辺の街に暮らしている。目の前に海が開け、江ノ電が時々可愛い姿を見せてくれる。暖かい日差しの部屋で、カラー、カサブランカ、かすみそうなどをたっぷり大振りの花瓶に活け、白を基調の部屋で本を読むのが至福の時である。
(あとがき)

1976年の「聡明な女は料理がうまい」では、桐島洋子は世の女性に『聡明であれ!』『しなやかであれ!』『自由であれ!』とアジテートしておりましたが、2020年の「聡明な女は愉しく老いる」では、特に世間に対して生き方指南のようなものはしておりません。

内容は主に自分語り。「聡明な女は料理がうまい」の2匹目、3匹目のドジョウ狙いか、かなりのページ数を洋子ちゃんレシピに割いてあったりしますが。

『愉しく老いなさい』と指南する本でない理由は、おそらく以下のうちのどれか。

  1. 加齢によりパワーダウンした
  2. 世の女性に見切りをつけた
  3. 肩の荷を下ろし「私は私、人は人」の境地に至った

さて、3つのうちどれでしょう?

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まあ、若いうちは大いに意欲的、野心的であって当然だが、熟年に至ればだんだん先が見えてきて、富や名声や権力に対する欲望と競争心がしぼんでいく。そういうエイジングを物哀しく感じる人が多いようだが、私はむしろ神の祝福だと思っている。
たしかにエイジングはいろいろなものを手放していく引き算の過程だが、それでどんどん肩の荷が下りて身軽になり自由になっていくのだ。そして老子の「足るを知る者は富む」の境地に達するのが最も望ましい老い方だろう。

まあね、この本を亡母が読んだらどう思うかってのは別として。

娘世代の私からすると、正直、自分語りの自慢話が続くのが鼻につくっちゃつくのは否めない。

多分それは、80Overになっても未だパワフルであり続ける桐島洋子さんに「負けてる」ひがみもあるのでしょう。いやだって勝てる気しねーぜ。枯れてないし。まったく枯れてないし。

こんな風に年を重ねていければ良いなと羨望の念を抱きつつ、でもそれもちょっと怖いなぁと恐れを抱く二律背反。

料理本の体を打ちつつ“自立したシニア”の意義を擦りこんでいかんとする桐島洋子の恐ろしさを感じます。怖ぇー怖ぇー。

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レビュアー: さくら
さくら
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