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水野大樹「「拷問」「処刑」の日本史 農民から皇族まで犠牲になった日本史の裏側」

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自白、復讐、刑罰、私刑の手段として用いられた残酷絵巻。神代の時代から日本には「拷問」と「処刑」が存在した。庶民から皇族などの高貴な人々まで、多くの国民がその犠牲となり、血を流した。本書は、各時代の史料をひもとき、かつての日本で行われた残酷劇を紹介していく。強大な権力がどれほど人を狂わせるか、日本史の闇の史実を今ここに…。
(「BOOK」データベースより)

我が娘は高校3年生、夏の天王山を間近に迎えた受験生。
私立文系狙いのお嬢さん、日本史を選択して勉強にいそしんでます。

そして、いま娘が読んでいる本がこちら。「「拷問」「処刑」の日本史 農民から皇族まで犠牲になった日本史の裏側」

『日本史の勉強、勉強♪』と、せっせと読んで勉強にいそしんでます。
勉強に…いそしんで、います…。

おかあさんイマドキの大学受験ってワカラナイけど、それ、模試にもセンター入試にも、出ないんじゃないかなあ…。

処刑法のひとつとして、「牛裂き」という方法がある。これは四肢を4頭の牛にそれぞれくくりつけて、4頭の牛を別々の方向に走らせることで四肢を引きちぎるという、残酷な処刑法だ。世界的には馬が使われるケースが多いが、日本ではおもに牛が使われた。

日本に残されている文献上、最初に拷問を受けたのは素戔鳴尊(スサノオノミコト)だそうです。天照大神の弟君で、ヤマタノオロチを退治した人ね。
神話か史実かは、さておいて。

スサノオノミコトさんはオイタが激しすぎて、怒った神様たちから髪の毛を引き抜かれて手足の爪をはがされたそうな。
どちらかというと、拷問というよりも刑罰に近いな、とは、この本の著者である水野さんもおっしゃるとおり。

では日本初の拷問被害者は誰なのはと言えば…5世紀はじめごろに天皇に仕えていた家臣“武内宿禰(たけのうちのすくね)”さんであるらしい!おめでとー日本初!(いや、おめでたくはない)

彼がされた拷問が、煮えたぎる熱湯に手を入れて、ヤケドするかしないかで『嘘をついているかどうか判断』する盟神探湯(くがたち)
あれですね、ダチョウ倶楽部ですかね。熱湯風呂に入る上島竜兵は、武内宿禰の系譜を継いでいるんですかね。

いや、盟神探湯は拷問というより占いや神事にあたるんじゃないか?と考える、日本語の正しいありように厳しい向きも。

なれば、日本書紀に登場する水責めならば文句あるまい。

西洋でも東洋でも、水責めは拷問の基本よね。時代劇でもよく『吐け、吐け~!』と水責めを受けているし、トランプ大統領も水責めの拷問手法を復活させるべきだとおっしゃっている…。

21世紀のいまになって、世の中は再び『日本書紀』の時代に舞い戻るのかしら。

この本のタイトルは「「拷問」「処刑」の日本史」なので、日本史の流れに沿って拷問法・処刑法が紹介されています。

古代からはじまり、奈良、平安、鎌倉、室町、戦国、江戸、明治、大正、昭和。
登場する拷問法・処刑法も、鞭打ち、火責め、打ち殺し、鋸挽き、簀巻き、串刺し、釜茹で、宮刑etc、etc。

あ、宮刑っていうのは、男性の睾丸をえぐりだす拷問法のことです。きゃー!
私オンナだけど、私だったらこんな拷問を予告されただけで全てゲロしちゃうよ。

あと、この本を読んでひとつ知識を得ました。

石川五右衛門は釜茹でになって処刑された(五右衛門風呂ね)と言われていますが、釜の中身は熱湯じゃなく油だったそうですよ。
釜茹でじゃなくて、それじゃあ釜揚げじゃないか…。

平和な現代に生きる読者のなかには、残酷な拷問と処刑が日本でも行われていたことに驚く人もいるかもしれない。しかし、たとえば昭和戦前期の特別高等警察(特高)による苛烈な拷問のすえ獄死した人々がいるのだが、これは70~80年前の出来事である。わずか80年前の日本では、公権力による拷問が確実に存在していたのだ。

わずか80年前には、確実に存在していた拷問。

時代は戦後の昭和から平成、令和に変わり。

80年後の今の日本では、もはや拷問制度は存在しない…はず。

おそらく。

多分。

無い…よねえ?

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