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村田沙耶香「殺人出産」

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「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい―。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない…。三人での交際が流行する、奇妙な世界を描いた「トリプル」など、短篇3作も併録。普遍の価値観を揺さぶる挑戦的作品集。
(「BOOK」データベースより)

村田沙耶香は「コンビニ人間」で芥川賞をおとりになった人ですが、私 さくらはこの「殺人出産」が村田沙耶香初読了。村田沙耶香という作家の名前も知らず、単純に本の題名のみに惹かれて読みました。

4つの短編からなり、それぞれが “ちょっとずつ違う世界” 4ワールドの小説です。

これはディストピア小説に分類されるんでしょうかねえ?アンチユートピアというほど壊れた世界でもないですし、順調であればある意味理想的な社会とも言えるかもしれない。ちょっと乱暴だけど。

あのね。ドラえもんの機械って、うまく使えば理想的なグッズじゃないですか。だけど、使う人間がアレなもんだから、間違った使用方法で下手を打つ結果になると。

それと同じ?この本の4ワールドも、うまく使えばディストピアじゃなくユートピア。かも。

さて、表題の「殺人出産」

10人産めば1人殺してもOKとする『産み人システム』が確立された社会。

プラス10マイナス1、イコール9。

えーと、阿部総理、これ、現代日本の超少子高齢化社会の打開策に、いかがですか?

単純計算でプラ9ですよ、プラ9。

今の時代は女性に、仕事をしろや出産をしろや育児をしろや介護をしろやと、マルチタスクを求めるのもいい加減にしろやと言いたくなる押し付けっぷりです。

「子供が可愛い」だけじゃ、女性の出産の原動力にはならない。

なにかの報酬、例えば『産み人システム』があれば、出産しようという人も、もしかして出てくるかもしれない。

とはいえ10人出産するにはおよそ10年かかります。

私がいま殺したい人(誰かな?)を殺す為に、10年かけて10回妊娠と出産を繰り返せるかと聞かれたら、そこまで殺意をキープできる自信ない。

でも世界には今でも、10人くらい子供がいるのが平均の国もあるしなあ。日本だって数十年前には7~8人兄弟はあたりまえだったしなあ。

できるか。やるか?10人チャレンジ。

・・・で、いまこのブログを書いている間に思いついたのですが。

「殺人出産」の世界では、人工授精での受胎が普通なのですね。で、産まれた子供も母親が育てるのではなく、児童施設で育てるのが普通なのですよ。

『産み人システム』で10人産めば良いだけであれば、何故排卵誘発剤を使って多胎出産をさせないのかしら?

1回あたりの母体負担は大きくはなれど、双子、3つ子、さらには5つ子を出産すれば、かかる年数は格段に短縮されますね。

『産み人』にとっても、殺す相手は早く殺したいだろうから、適切な改善点だと思うのですが。

阿部総理、いかがですか?

『産み人システム』導入の折は、是非とも排卵誘発剤の併用もご検討のほど、よろしくお願い致しますわ。

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