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我孫子武丸「メビウスの殺人」

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大東京を恐怖のどん底につき落とす連続殺人が発生。犯行は金槌によるメッタうちと絞殺が交互する。犯人は一人か、あるいは別人か。現場には常に謎の数字を記したメモが…。被害者たちを結ぶ“失われた環”を探せ。ご存知速水三兄妹がつきとめた驚愕の真相とは?奇想天外な推理の新旗手の長編第三作。
(「BOOK」データベースより)

しりとりをする時は、「る」攻めで相手を追いつめるのが勝利の鍵。
それはドライブ中の遊びでも、殺人でも同じ。
 

“メビウスの輪”とは、帯状の長方形の一端をひっくり返してもう一端に貼り付けた図形。
面の片一方だけを触っているつもりでも、あらあら不思議。いつの間にやらもう一面に移動してしまって、いつまでたっても終わらない。

メビウスの帯は3次元ユークリッド空間 R3 に埋め込むことができ、媒介変数 r , t (-1≦r≦1 ,0≦t≦π)を使えば
x = cos(2t) (r cos(t) + 2)
y = sin(2t) (r cos(t) + 2)
z = r sin(t)
と表示することができる。
(Wikipediaより)

メビウスの輪、もしくはメビウスの帯を数式で表せば上記の通りとなります。
自分が見ても全く意味のわからない数式をわざわざ引用するのは、ブログにアカデミック感を醸し出したい姑息な手段。
人のふんどしで相撲を取るのはイケマセン。
 

「メビウスの殺人」も題名通り“いつまでたっても終わらない”連続殺人事件が発生します。
またの名を『三目並べ殺人事件』(今勝手に付けた名前)
犯人は被害者を殺害後に、三目並べの「手」を残していきます。「2-2」とか「1-3」とか。
三目並べも、あれ一生終わらないのよね。ウォー・ゲームじゃ人工知能AIも嫌になってたくらいだしね(根気のないAIだなあ)
 

どうやら連続殺人犯は、犯行手口から推測するに2名いる模様。
そして三目並べは、犯人同士の合図代わりになっている模様。
 

警視庁捜査一課の速水刑事と、その弟妹が経営する喫茶店での独自捜査会議の席上で検討した結果みつかったのは、殺された被害者リストを並べた時に出来る、ある共通点。それは…。

刑事が捜査中の事件の詳細を、いくら家族と言えどもペラペラしゃべって良いの?というツッコミは無しで行きましょう。
「メビウスの殺人」は、いわゆるユーモア・ミステリなので、社会派的な整合性は度外視されても良しとします。
 

ユーモア・ミステリだから、犯人もさっさと明かしてしまいましょう。
連続殺人犯の内ひとりは、椎名俊夫。そしてもうひとりはパソコン通信(懐かしい!)のチャット相手『CAT O’NINE TAILS』
ネット越しの会話の流れから、やってみたいな快楽殺人。恨みも縁もないけれど、パソコンのゲームに飽きた後は、殺人というゲームがスタートです。
 

ユーモア・ミステリと言えども、明かせないことだってあります。
殺人ゲームの“ルール”は何か、とか。
速水三兄妹が椎名俊夫に仕掛けた罠は何だったか、とか。
もうひとりの犯人『CAT O’NINE TAILS』は誰か、とか。
 

世田谷区の「“い”を守る会」はまだ存続しているのか、とか。
世田谷区在住の伊藤賢治会長様。お元気ですか?世田谷区を悪しき「非“い”」から守るため、今後ともご活躍くださいませ。

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