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宮木あや子「校閲ガール」

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ファッション誌の編集者になる! という夢を抱えて出版社に就職した河野悦子(こうの・えつこ)が配属されたのは校閲部だった! 担当する原稿や周囲ではたびたび、ちょっとした事件が巻き起こり……! ? 読んでスッキリ、元気になる! 最強のワーキングガールズエンタメ☆
(「BOOK」データベースより)

この本の一番の残念ポイントは、表紙絵かな。
ファッションに命をかけている筈の主人公イラストが、なぜこんなにダッサい服を着てるんだ。
裏表紙のアフロモデルが、なぜ新宿二丁目ゲイバーのママみたいなんだ。絶世の美青年じゃないのか。

で、肝心の内容といえば。

あら、案外おもしろいんじゃな~い?(マダム風)
全く期待のかけらもせずに読んだ、読後の感想。

内容は、一言で言えば「フィクション仕立てのお仕事紹介エッセイマンガ」
全然ヒトコトじゃねーな・・・と思ったら、「BOOK」データベースに“ワーキングガールズエンタメ☆”と!
そうよそれそれ。ワーキングガールズエンタメ。略してワーガーエン。よし一言だ。

最近はやりの「エッセイマンガ」の一ジャンルとして、コアな趣味(ex.宝塚)とか
一般になじみのない職業(ex.博物館のキュレーターとか、水族館の飼育員とか)の内実を紹介する内容の漫画がありますね。
この小説も、ページ数のかなりのボリュームを「校閲」の紹介に割いています。

ところどころに散らされている、アフロヘアのモデル兼作家との恋愛模様は、ただのおまけ。どうでも良い。
途中でポツンと出てくる暗号の謎解きも、田舎のおばーちゃんのお茶請けキュウリみたいなもんで、全くどうでも良い。
(田舎のおばーちゃんにとってはキュウリの方が重要か?)

あくまでも話の中心になるのは、校閲の仕事、及び校閲職につく「校正さん」の日常。
「13歳のハローワーク」の1業種に入れてもいいかもですね。

私がこれまで校閲の仕事内容を知らず、“てにをは”を修正する程度のお仕事という認識でいたので、もっと突っ込んだ事実確認や時代考証を調べてチェック入れているというところに驚いたものです。
この小説、作者も取材先を探すのに苦労しなかっただろうし、編集者も取材対象とのセッティングをするのに苦労しなかっただろうけど、一番苦労しなかったのは内情を一番知っている校閲担当者だったかもしれない。
校正さん、よかったね!

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