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田中一郎「〔図解〕電車通勤の作法」

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通勤電車のストレスは相当なものである。殺人的な混雑はもちろん、隣人のマナーの悪さに込み上がる不快感。著者は長年の遠距離通勤を通じて、そんな殺伐とした車内に一服の清涼感をもたらす「乗り方」を独自に開発した!流れにぶつからず、空気のように溶け込み、正しい姿勢でぐっすりと眠る…乗る人すべてが心得ておきたい作法の数々。画期的な提案が電車をオアシスに変え、あらゆる働く人を幸せにする。
(「BOOK」データベースより)

世の中には、いろんな作法がおありです。
 

かつて私は茶道(表千家)のおけいこに通っていたのですが、茶道にも流派によって作法の違いがあるものです。
表千家と裏千家以外にも、いろいろな流派ごとに少しずつ所作が変わります。お茶点てて飲んで、という、基本はそれだけなのにね。
個人的には江戸千家の点前が結構好きですよ私。ざっくりした感じで。
昔、一度だけお茶席に出たことがあるのは、お能の舞を取り入れたというダイナミックな点前をする流派。高~くから落とす柄杓が畳に転がらないかドキドキしたのを覚えています。あれは何という流派だったのか…。
 

我が社の社長はよく『プログラムのご作法』という言い方をします。
コンピュータ言語によって、コマンドとか?順番とか?プログラムの書き方が違うんだって。
普段はプログラムを書く仕事はしない社長が、たまにちょいとプログラムを書いているらしい時には『ご作法が~ご作法が違う~』と呻いているのですぐそれと分かります。
 

世の中の様々な所業に作法としきたりがあるならば。
通勤電車にだって、ご作法があっても良いのじゃないか。

なにかと試練の多い電車通勤が少しでも楽になれば、日本の「総ストレス量」は随分と減るはずです。では、快適な電車通勤を実現させるにはどうしたらいいのでしょう?

その答えは、武道の理念に通じます。大袈裟と思うかもしれませんが、そんなことはありません。合理的に体を運用して「柔よく剛を制する」のです。
流れにぶつかるのではなく、受け流す。空気のように溶け込みながら乗車し、スマートに着席して「正しいポーズでぐっすりと眠る。周囲の乗客に気を配り、余計なトラブル、不毛な戦いを避ける。無駄をそぎ落とした合理的な動きはとても美しいもの。つまり快適な電車通勤は、美しい作法のもとに成り立つのです。

この本の著者・田中一郎さんは『電車通勤士』の資格をお持ちです(もちろん公的な資格に非ず)
超混雑で悪名高いJR埼京線(さらに過密の赤羽線時代を含む)やJR山手線など、通勤ラッシュの過密電車通勤を往復4時間かけて毎日通勤してきたラッシュの猛者です。その道30年近くのベテラン。
 

4時間×260日×30年=31,200時間(平日5日として計算)

3万時間を費やせば、スーパーマリオだったら高橋名人になれそう。

とはいえ、この本が“役に立つかどうか”と言ったら、別に役には立ちませんw
ラッシュで通勤しない人には関係ない話題だし、ラッシュで通勤する人は、本を読まずとも身体が知っている。
 

とはいえ、体感的に知っていることを言語化される楽しみってのもありますし、純粋に読んで面白いのは確か。
でもせっかくの電車通勤士の書いた「葉隠」何かもっと活用法はないものか…。
 

そこで、これを読んで楽しむ人って、例えばどんな人かしらと思案してみたら。
『クール・ジャパンの風俗』として外国人の方が読んだら、とっても面白いんじゃないかと考えました。
渋谷のスクランブル交差点をTSUTAYA2階のスタバから眺めるように、統制されたカオスを楽しむ指南書としてお読み頂くと楽しいかも。
 

おりしも4年後は東京オリンピックですし!
外国人の方も沢山いらっしゃるでしょうし!
って考えてみたら、そうだ、外国人旅行客も通勤ラッシュ時間帯に電車に乗る可能性もあるんだ。おお!ではこの本がマジで役に立つではないか!
 

…小池百合子さん、いかがでしょう?
「〔図解〕電車通勤の作法」翻訳して、外国人旅行者向けガイドブックなど。
クール・ジャパンのアピールと、『お・も・て・な・し』の心で、何卒ご検討くださいませ。

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