いとうせいこう,みうらじゅん「見仏記」

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仏像に関する専門的な知識もなく、仏教に精通しているわけでもない門外漢が、仏像見たさにどんどん寺の門をくぐっていく。旅の途中で、珍説、奇説をひねりつつ、奈良、京都、東北、九州の全40寺をたどる、笑いと友情の仏像巡礼。
(「MARC」データベースより)

それは昔々のこと。
さくら20代、友人と『そうだ 京都、いこう。』ということになりまして。
事前に友人Uから、この本を手渡されました。

「アンタもこれを読めば、仏像の魅力にハマるはず!」

友人Uは正しかった。

「あの如意輪、アンニュイだよね。梓みちよ系のエロが入ってると思わない?」
すると、みうらさんは振り返りもせずに、その冗談に答えた。
「俺は“二人でお酒を如意輪”と名づけたね」

「見仏記」は、サブカルの旗手いとうせいこう氏&みうらじゅん氏が仏(ブツ)を見てまわる“見仏”旅の紀行文です。御仏じゃなくて見仏ね。誤字じゃないよ。
いとうせいこうが文、みうらじゅんが絵。
その後に起きた仏像ブーム(なんてのもありましたね)の火種になった本とも言えます。とはいえ「見仏記」発売当時には件の仏像ブームは巻き起こらなかったんですけどね。
“マイブーム”然り“ゆるキャラ”然り、みうらじゅんの提唱するカルチャーは、彼が採りあげてから数年かけて、彼とは違う採りあげられかたでブームになるのが常。くまモンがどんなにメジャーになっても、あくまでもサブカルチャーな彼等であります。

ゆるキャラはさておき、さて仏像。
古臭く小難しいイメージの仏像も「見仏記」を読めば一変すること請合いです。
だって彼等にとっては、仏師はアーティスト、仏像は極楽浄土からやってきたロックミュージシャン、セクシーな薄絹の観音はエマニエル夫人、薬師如来はオロナイン軟膏ですよ。

奈良の新薬師寺、十二神将を見に行ったときにはこんなことも言ってます。

ふと気づくと、みうらさんが異常なスピードで近づいてきていた。私のそばでピタリと止まると、うれしそうな顔でささやく。
「いとうさん、こうやって走りながら見ると凄いよ。十二神将が次々に現れるからさ、もう仏像メリーゴーランド状態!
私の反応も待たずに、みうらさんはまた走り出した。

お偉い学者さんや美術評論家さんは、きっとやらない“仏像メリーゴーランド”
でもちょっと、怒られなければやってみたくなりませんか?

「なんで塗り直さないのかね、これ(さくら注:興福寺の千手観音)を。変だよ、日本人は。古い感じの方が価値があるって思うんでしょ?だけど、ピッカピカにきれいだったんだよ、もとは。それでみんなすっげえって思ったに決まってるじゃん。なんで、その仏像パワーを復活させないわけ?」

仏像をわびさびの対象と考えないみうらじゅん氏としては、現代の「仏像=教養」の風潮がとっても疑問に思えます。
疑問ついでに『土産物屋の木刀はいつ頃から売り始めたか』にスライドし、歴史の影に埋もれた明治の木刀屋を勝手に捏造するに至りもしますけど。話題はあっちにいったりこっちにいったり。仏像求めて日本全国あっちにいったりこっちにいったり。

ちなみにそのみうらじゅんが、一番愛してやまないのが奈良 浄瑠璃寺の吉祥天女。
まあお忙しくなければ、ちょっとこのブログを読む手を休めて、吉祥天女の画像をググってみてくださいな。
じっくりご覧になってから、吉祥天にあてて書かれたみうらじゅんのラブレターをお読みくださいませ。

~秘仏の恋~
ボクは浄瑠璃寺の吉祥天像に心を奪われた。それは恋と呼んでもいいだろう。つり上がったマユそしてセクシーな目、ポッテリした唇、クレオパトラのようなヘアー・スタイル、どこを取ってもボクの理想。そんな君と燃えるような恋がしたいぜ!
でも君は秘仏……
毎年三回しか開帳しない。それはまるでボクの気持ちをもて遊ぶようさ。「恋などはかなきもの」と君は言いたげだ。
君のブロマイド(絵ハガキ)と全身ポスターを買ったよ。まるでアイドルだね。
全てのボンノウを消す九品仏の前でボクは恋というボンノウの化身でいた。

もし貴方がこれから京都旅行に行くならば、「見仏記」を読んでから行く事を強く推奨したい。

「アンタもこれを読めば、仏像の魅力にハマるはず!」

友人Uは正しかった。
私も正しかったと、読めば貴方も思うはずだ。

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レビュアー: さくら
さくら
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