赤松利市「純子」

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四国の辺鄙な里に生まれた純子は「極貧の暮らしから逃れるためには、おまえを蜜の滴るいい女にして高く売るしかないんじゃ」と祖母に言われ、官能的な手練手管を仕込まれて育つ。だが、純子が中学に上がる前にバキュームカーの導入により家業は廃れ始め、さらには里の湧き水が涸れてしまう。皆が生きていくためには水道を引かなければならない―純子はそれを実現させるため、高松の御大尽の愛玩となることを決意するのだが…。過激な昭和のファンタジー小説!
(「BOOK」データベースより)

ちょっと前、NHK「チコちゃんに叱られる!」で、チコちゃんがこんな質問をしていました。

「どうして子どもは、ウンチが好きなの?」

その答えは「ウンチを自分の分身だと思っているから」

——というと何ですか、書籍一冊まるまる糞尿まみれの「純子」を書いた赤松利市は、小さな子どもと同じように、ピュアで汚れない心を持っているのでしょうかね?

そしてその本をバッチリじっくりネッチョリと読み込んだ私も、小さな子どもと同じように、ピュアで汚れない心を持っているのでしょうかね?

——少女の心を忘れない、さくらです!

土間の井戸で汲んだ水で竿先を洗う。その時に、ちょびちょびと竿先の糞を舐めるのが純子の密かな楽しみだ。糞にはそれぞれ味がある。なかでも純子が好むのは、糞に含まれる粘性の高い成分だ。それはちょうど、カエルの卵のようなゼラチン質で、舌先でそれを探り当てると、純子は唇を窄めて吸い取るのだ。

チュルチュル チュルチュル チュルチュル

甘くて舌触りも良く純子はうっとりする。

赤松利市の名前を知ったのは、毎日新聞の新刊案内広告。この本「純子」の広告コピーはこんなんでした。

“少女とうんこのとても美しい物語”

このコピー見たら、そりゃあ「純子」読まなくちゃって思いますよね。

ジャケ買いならぬタイトル買いならぬウンコ買い。そんな私もどうかと思うけど、このコピー付けた双葉社の編集担当もどうかと思うのよね。

ときは昭和三十三年。ところは香川県、讃岐山脈の北に位置する貧村の沁山(しみやま)。

純子の家は、貧しい里の中でもさらに極貧。各家庭の下肥を汲んでわずかな駄賃を得るのだけが収入源。

鄙には稀なとはよく言いますが、主人公の純子もそりゃあ端整なお顔立ちで、まさに“掃き溜めに鶴子さん”

祖母は純子の美貌を起死回生のチャンスにしたいと、幼い頃から白粉をつけさせ容姿を磨き、男をまどわすフェローモンを育てるために、絵本代わりにエロ本を読ませて学習させる。

「蔭口なんぞ糞喰らえじゃ。純子を、蜜の滴る女にするんじゃけに。それしかオレらが、今の暮らしから逃れる法はないんじゃけに。中学を出たら、どこぞの商家に奉公に出す。こんな貧乏人しかおらん里じゃ埒が明かん。町場じゃ。高松でも岡山でもええ。広島もある。神戸も大阪もある。奉公先で御手付きにでもなったらしめたもんじゃ。嫁でなくてもええ。妾でも構わんきに。何にしろ高く売れる女に育てるんじゃ。それしかオレらが、糞担ぎの仕事から逃れる途はないんじゃけに。先のことも分からん糞蝿のおまえが、あれこれ口出しすな。おまえは黙って、他人様の糞尿を運んどったらええんじゃ。この糞蝿めが。糞を担ぐしか能がないなら糞を担げ。ジイチャンと一緒に、できるだけの糞を担ぐんじゃ。糞じゃ。糞。今の暮らしから抜け出るために、純子を磨かなあかんのじゃ。そのためにはゼニが要る。おまえの担いだ糞がゼニになる。糞を担ぐんじゃ。糞を担いだらええんじゃけに。オマエは黙って糞を担いどれ。糞じゃ糞、糞を担ぐんじゃ。この糞蝿めが」

実際に純子が祖母に連れられて「妾の御用はありませんか~」と御用聞きに行くシーンもあり、純子自らがド変態の“少女人形”になるために出向くシーンもあるんですがね。

まあ、純子が身売りに行った顛末ってのは置いときましょう。
「純子」の根幹は、糞ですから。糞尿ですから。ウンチですから。

「——糞や」
「ハァ?」
思わぬ返答に純子は眉根に皺を寄せた。乞食坊主が意を決したように声を張り上げた。
「オレは、オマエの糞が欲しいんじゃ」
自らの言葉に照れるようにモジモジした。

1冊259ページ、最初から最後まで、オールスカトロジック!

一部のお好きな人にはたまらんでしょうが、その他大多数の人にとっては、ある意味苦行。どのページを繰っても排泄物の色と、匂いと、それから「味」と。

「純子」自体は面白かったし、赤松利市の他の作品も読んでみようかなとは思わされたけど、読んでる間は……つ、つらかった。

——少なくとも、お食事中には読まないことをおすすめします。
そして、このブログをお食事中に読んでしまった、そう今のアナタ。アナタには、心よりお詫び申し上げます。

今から言っても、遅いけど。

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レビュアー: さくら
さくら
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