筒井康隆「富豪刑事」

スポンサーリンク

キャデラックを乗り廻し、最高のハバナの葉巻をくゆらせた“富豪刑事”こと神戸大助が、迷宮入り寸前の五億円強奪事件を、密室殺人事件を、誘拐事件を……次々と解決してゆく。金を湯水のように使って。靴底をすり減らして聞き込みに歩く“刑事もの”の常識を逆転し、この世で万能の金の魔力を巧みに使ったさまざまなトリックを構成。SFの鬼才がまったく新しいミステリーに挑戦する。
(Amazon内容紹介より)

先日のブログ記事「マスカレード・ホテル」では、連続殺人事件の捜査のために刑事さんが高級ホテルに潜入捜査を致しました。
刑事とバレないようにホテルマンに扮して。

そ・ん・な・絵空事、考えるのは東野圭吾くらいだろうって?
いやいや、あるんですよ過去にも。およそ40年ほど前に。
それが筒井康隆の「富豪刑事」の一編です。

「ところで真田さん。われわれ刑事がエンジェル・ホテルの従業員に化けるとした場合、最低何人の人員が必要でしょうか」

こっちはすごいよ。他県から遠征してくるやくざ団体をまとめて警戒するために、ホテルまるごと従業員を総とっかえしてしまおうという壮大な計画。
レストランの料理人や電話オペレーターなどは本来の従業員を使うにしても、お客様と直接対峙するスタッフは、フロントもクラークもドアマンもぜーんぶ刑事さんの扮装。
お掃除メイドさんも刑事さんですよ。お客様の部屋に出入りするからね。

とはいえ、高級ホテルにやくざ団体が集結してしまったら、他のお客様にご迷惑になりゃしませんかい?
💡じゃあ、他の予約客は、近隣のホテルにお移り頂けば宜しいわ。
⇒もちろん費用は刑事さんの負担でね💰

でも、やくざ団体がエンジェル・ホテルを利用せずに、他のホテルや旅館に宿泊するつもりだったらどうするの?
💡じゃあ、地域のホテルや旅館を、全て借り切っちゃえば良いじゃありませんか。
⇒もちろん費用は刑事さんの負担でね💰

我らが“富豪刑事”大富豪 神戸喜久右衛門氏の一人息子、神戸大助刑事にとっては、それっくらいのハシタ金は屁でもありませんぜ。

神戸大助さん、上記の『ホテルの富豪刑事』以外にも、金を湯水のように使って事件を解決します。

殺人事件のトリックをあばくために株式会社を作ってしまったり。
迷宮入り目前の強盗犯を見つけるために見せ金を(ハンパなく)使ったり。
群集にまぎれるために一万円札を路上に投げ散らかしたり。
犯人を呼び寄せるパーティを開く為に引田天巧と木下大サーカスを呼んだり。

市内の宿泊施設を全室借り切るなんて、軽いもんですよ、はい。

「お前は天使じゃ。わしの宝じゃ。やってくれ。思う存分やってくれ。そのためにはわしの築きあげたこの財産など、全部使ってしまってくれてよい。それが罪ほろぼしに、げほ、なるのじゃ。げほげほげほ」涙にむせて咳きこんだ喜久右衛門は、やがて痰を咽喉につめ、呼吸ができなくなって四肢を硬直させた。

レッツ資本主義、富豪刑事大活躍の4編。
それぞれに面白く、さくらちゃんお気に入りの一冊でございますが。
大富豪 神戸喜久右衛門氏の全面的バックアップによる神戸大助刑事の活躍は、神戸喜久右衛門氏が昇天するまで続くのか。
財源が切れるのが先か。それとも出世が先か。
筒井康隆も言うとおり『いくら作者でも未来のことだけはわからない』はてさて富豪刑事の未来は、いかがなんでしょうね?

この記事が気に入ったら シェアをお願いします♪

フォローする

スポンサーリンク
レビュアー: さくら
さくら
レビュアー:さくら
ほんのむしの書評を楽しんで頂けましたら、また読みに来て頂ければ幸いです。皆様のお声がさくらの『やる気スイッチ』です!

いいね!と思ったらぽちっとな♪
以下のブログランキングに参加しています。
皆様のクリックがさくらの励みになります♪
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  
トップへ戻る