石田衣良「池袋ウエストゲートパーク」

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刺す少年、消えた少女、潰し合うギャング団。今夜も転がり込むトラブルを退屈しのぎに池袋を駆け抜けろ!躍動する青春ミステリー
(「BOOK」データベースより)

第36回オール讀物推理小説新人賞受賞。

060630

東京都に生まれ育ったさくらではありますが、池袋は他の繁華街に比べてさほどご縁の無い街であります。
全く行かない訳じゃーありませんが、行っても向かうのは池袋駅東口。西武とかサンシャイン60のある側ですね。
(ちなみに、池袋駅の東口にあるのは西武デパート。西口にあるのは東武デパート。わっかりづらいなぁもう)

池袋駅西口?行かないよ。だってガラ悪いじゃんアッチ。
だいたい、西口を出て何があるの?芸術劇場?知らないなあ。

池袋西口公園?ああ、そういえば駅前にちょっと広めのロータリーみたいなのがあるよね。
あ?あれ公園なの?単なる空き地かと思ってたわ。ホームレスと立教大学の学生がコンパ後に転がる用スペースじゃなかったのねアレ。

そ・ん・な、池袋西口公園を舞台にした「池袋ウエストゲートパーク」略してI.W.G.P.

これ以上池袋西口を悪く書くと豊島区民に刺されそうなので、ほどほどにして。
でもなんだかんだ言っても、好きなんですよ私I.W.G.P.

「おれみたいに片親で、貧乏で、学業不振で、補導歴が複数あるって非因果的効果を、その方程式にいれると、どのくらいの割合で再非行を繰り返して、常習犯罪者になるのか知りたいね」

I.W.G.Pの主人公マコトが問うた質問に、近所に住むおにーちゃんでもあり池袋警察署長である“礼にい”が出した回答は80%。
常習犯罪者の可能性80%のマコトが、至極まっとうで、至極誠実で、魅力的なのよ。

マコトの魅力というのは、そのアンバランスさ加減にあります。
趣味がクラシック音楽鑑賞だったりしてね。引きこもりニートの社会復帰の手助けをしたりね。チンケな八百屋でせっせと働いたりね。
でも夜な夜な池袋西口公園でバカ騒ぎをしたり、飲酒喫煙は当然だったり、でも多分、吸ったタバコはポイ捨てしないで携帯灰皿に捨てるのでしょう。
別名ヤクザ養成学校の工業高校を何とか卒業した程度の、学力的にはド底辺レベルなんだけど頭はキレッキレ。
ひとりの中にふたつの人格があるような、アンバランスな魅力。

そんなマコトがガイド役になって、さあでかけよう、池袋ジャングルのサファリツアーへ。
広がる景色はゲーセンとパチンコとファッションヘルスのビルが立ち並ぶ森。西口公園の噴水はオアシス。
ヤクザとストリートギャングと風俗嬢が獲物の肉を食む様子を眺めながら、時にはCDと洋服を万引きしてスリルを味わおう。
旅のお土産として女性にイヤリングを作りたいなら、小さな貝殻はここには無いけど、小さな剥がれた生爪だったら落ちているよ。
野生動物が小競り合ったり仲直りしたり恋をしたりを、疾走するサファリカーの窓からご覧ください。

あっ、そこのお客様。窓から手は出さないようにご注意下さいませ。
今日のI.W.G.P.は“水に溶かすと糸を引くようなドロドロのスピードでも決めたみたい”な空気ですからね。うかつに手を出しますと、ケガしますわよ。

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レビュアー: さくら
さくら
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