ジョーン・リンジー「ピクニック・アット・ハンギングロック」

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あの日は絶好のピクニック日和だった。アップルヤード学院の生徒たちは、馬車でハンギングロックの麓に向けて出発した。だが、楽しいはずのピクニックは暗転。巨礫を近くで見ようと足をのばした4人の少女と、教師ひとりが消えてしまったのだ。何があったのかもわからぬまま、事件を契機に、学院ではすべての歯車が狂いはじめる。カルト的人気を博した同名の映画原作、本邦初訳。
(「BOOK」データベースより)

ピクニック・アット・ハンギングロック

私 さくらが高校生時分に、サブカル好きの間で流行りに流行った映画『ピクニック at ハンギングロック』

映画が製作されたのは1975年ですが、日本で公開されたのは1986年。どうして日本公開まで11年もかかってしまったのかは、謎。

ですが、どうして映画が日本で流行ったのかは、わかる。
主人公(?)のミランダが、めっさ、めっさ、めっさ美人なんですもの~!

いましがた心にひらめいたことを、どう説明しろというのだろう。ポワティエは、ミランダが、ウフィツィ美術館に飾られているボッティチェリの天使の絵にそっくりだ、と気づいたのだった。夏の午後という時間帯は、物事を説明することはおろか、大切な問題について考えを巡らせることさえ難しい。たとえば、愛についてはどうだろう。

ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」のヴィーナスにそっくりで、ヴィーナスと同じ豪奢なブロンドを波打たせるミランダが、ヴィクトリア朝のゴスワンピに身を包み、ハンギングロックの赤山を見回す姿ときたらっ…!
非常に私好みの、めっさ美人顔です。どうやら私は、色素が薄そうな不幸顔に弱いらしい。

映画が流行った理由としては、全体的な映像美とカルト的な筋立てなど、ミランダの美しさ以外にも要因はあるかとは思われますが。
それでもやはり、ミランダ役の女優さん(アン・ランバートさんという女優さんらしいぞ)があれだけお綺麗さんでなければ、興行収入はだいぶ減ったんじゃないのかなあ。

で、それでだ。
映画『ピクニック at ハンギングロック』の日本公開から32年。
原作の翻訳本「ピクニック・アット・ハンギングロック」が、2018年に出版されました。

多分ね、この本を買う人の99%は、ミランダにハマった人だろうと思いますよ。
ええ、だって、私がそうですからね。いまでもはっきりと思い出せる、我が心のボッティチェリのヴィーナスよ。

舞台は1900年。イギリス領時代のオーストラリア。
2月14日の聖バレンタインに、寄宿女学校で行なわれたハンギングロックへのピクニック。

4名の女子と1人の女教師が行方不明になり、そして…というストーリーです。
そして…以降の説明は省略。映画を観た人なら知っている筈。そして、映画を観ていない人は、そもそもこの本を読まないだろう(多分)

ひとつだけ申し添えると、この失踪事件が事実に基づいているのか創作なのかは、当時から今に至るまで議論の対象になっている模様でございます。
原作者は「創作」と言っているらしいのですが、実は!とかね。原作者自身が、何か明かしていないことがあるのではないか、とかね。
はてさて。失踪事件は、本当にあったのでしょうか?その後の殺人事件も、本当にあったのでしょうか?

『ピクニック・アット・ハンギングロック』が事実なのか創作なのかは読者の判断にゆだねる。だが、問題のピクニックがおこなわれたのは一九〇〇年のことである。ここに登場する人物たちが亡くなって、すでに長い年月が経った。事件の真偽を取り沙汰する必要はないだろう。

「ピクニック・アット・ハンギングロック」を書いた作者のジョーン・リンジーさん自体も、既に亡くなっていますしね。
事件の真偽をいまから取り沙汰しても、回答を得られる期待はできないでしょう。

でも、回答を得る必要はないのです。

1986年に映画『ピクニック at ハンギングロック』を観た私達にとっては、事件が真実であろうとなかろうと、関係ない。
コルセットに白いモスリンのワンピース、黒いタイツと編み上げブーツ、流れるような金髪の美少女。

原作の「ピクニック・アット・ハンギングロック」を読むことで、あのミランダの美しさが蘇ってきます。

——と、ここまで書いたところで「じゃあ映画を観ればそれで良いじゃん」との結論に達していることに、いま、気付いた。

あっ……。

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レビュアー: さくら
さくら
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