星新一「進化した猿たち」

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このたぐいの本をなんと称するものなのか、私には見当もつかない。紹介でもあり、研究でもあり、随想でもあり、雑談でもある。——ひとときを楽しんでいただけたら、また、今後アメリカ漫画を一段と楽しんでいただける一助にでもなれば、私としてもうれしい。進化した猿たちの、進化した猿による、進化した猿たちのための本なのである。
(あとがきより)

そもそも、アイデア捻出の原則はひとつしかない。異質なものどうしを結びつけよ、である。

星新一が趣味で収集していた、アメリカ漫画の紹介&エッセイです。

アメリカ漫画といってもスパイダーマンみたいなアメリカン・コミックではありません。新聞のヒトコマ風刺漫画のごとく、一枚の絵と一言の台詞だけで笑いをとる、1950~1970年代あたりのアメリカのヒトコマ漫画。
いやまあ星新一は、自作のショートショートSFといいヒトコマ漫画といい“みじかいもの好き”ですねえ。星新一が俳句に手を出していたのかどうかは分かりませんが、五七五と同じ匂いを感じます。お箸の国の人なのね~。

文庫本で三冊に分けて出版されておりましたが、当ブログで取り上げる書籍のご多分に漏れず、こちらも全て絶版w
そして、当のアメリカでも、この本で取り上げられているヒトコマ漫画の類は、ほぼ消滅しているらしいです。なんたって漫画のジャンルが死刑に脱獄に不倫に墓堀り人夫だ。いや他にも色々と、出版社のコンプライアンスにひっかかりそうなネタがぞくぞくと。

多分、この題材の本はもう二度と出てこない、でしょうねえ。
いや勿体ない話であります。

「進化した猿たち」は、勿論ヒトコマ漫画を眺めるだけでも面白い。どっさりあるし。食傷するほど。
そして、星新一のエッセイ文を読むのも、これまた楽しい。漫画の話もしつつ、星さん自身の話も多いです。例えばねえ、星新一が、かつて発明家を目指していたことがあるって知ってた?
アイディア・マシーンの星新一ならば、きっと真面目に取り組んでいれば、いつか凄い発明を成し遂げたような気がしないでもないのですが。私としては彼のショート・ショート『ゆきとどいた生活』の自動身支度機を発明して欲しかったなあ。

しかしここでは星新一の話はさておき。

アメリカのヒトコマ漫画、なので漫画の舞台は当然アメリカ。いやどこかの離島とかもありますけどね。
なので、ヒトコマ漫画でアメリカの風俗を垣間見ることもできます。

例えば、マリッジ・カウンセラーなるものを扱った漫画も『結婚の修理屋』で紹介されています。日本ではマリッジ・カウンセラーという存在自体、一般的ではありませんね。日本でいえば家庭裁判所の調停?
あとは『頭のねじれ』で登場する、精神科医のカウンセリングも。よく長椅子にねっころがって話す、アレね。
いまじゃ日本でも心療内科とかメンタルクリニックとか、心の風邪っぴきで病院にかかるのも一般的になってきましたけど、どうなんでしょう?日本のメンタルクリニックでは、あの長椅子は使うんでしょうか?

そしてそしてだ。私が一番話したいのは、アメリカならでは(?)の風習『大きなケーキ』について。

ウェディングケーキよりも漫画で多いのは、なかからグラマー美人の出てくる大きなケーキを扱ったものである。日本にはそんな趣向はまだないようだし、アメリカ映画でもほとんど出てこないが、これだけ漫画になっている点から察するに、かなりおこなわれているわけであろう。

「雨に唄えば」という映画がございますね。あの中で、パーティ会場で出された巨大なケーキから、映画のヒロインが登場してくるシーンがあるのですよ。
(ちなみにグラマーではないw)

「雨に唄えば」を初めて観たときに、ケーキから飛び出してくるヒロインを見て「これだーーーーっ!」と思った私。
あれ超楽しいよ。だってケーキの中から娘っ子が出てくるんだよ。ジャジャーンだよジャジャーン。いやアメリカのビジネスマン達のパーティって、超楽しいですね。

ああ、古き良きアメリカよ。強きアメリカよ。
多分いまでは、そのパーティの趣向すらも、ジェンダー云々のフェミニズム的論理で行えなくなっている可能性が高い。

そこでトランプ大統領にご提案。
貴方が“強きアメリカの復権”を目指すならば、古き良きアメリカに倣って、ケーキの中にグラマー美女を入れてみるのも良いかもしれぬ。
まずはトランプタワーの宴会場で、パーティの新たな趣向としていかがでしょう?
きっと貴方、好きそうだし。

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レビュアー: さくら
さくら
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