惣司ろう「忘却の首と姫」

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タイトルの「忘却の首と姫」は「ぼうきゃくのしるしとひめ」と読みます。念のため。

小国のお姫様リリアが嫁いだのは、強い魔力を持ち誰もが恐れる『首なし王』! 文字通りの姿をしている王様と15歳のリリアの結婚は誰もがムチャ婚だと思ったのだが…。リリアのまっすぐな想いに、頑なだった首なし王の心がデレる!?
(Amazonより)

boukyaku

前回の書評「死ぬことと見つけたり」で、未完の煩悶について書いたので、未完つながりってことでこちらも。
この漫画を描いた惣司ろうさんは、「忘却の首と姫」連載途中で2014年に胃ガンのため急逝されています。

娘がまだ小学生時代、どこからか知っておこづかいで買いはじめた『花とゆめコミックス』のこの漫画。
『花とゆめ』ねぇ~!なっつかしーなー!おかーさんも昔読んでたよ『花とゆめ』。おかーさんは「ぼくの地球を守って」とか「動物のお医者さん」とか「笑うミカエル」とかの世代よ。わからなくていーのよ、ただ語りたいだけなの。誰かに。

で、イマドキの『花とゆめ』はどんなもんじゃいと、娘に借りて読んでみたりして・・・。

えーと、これ、1巻?2巻は?3巻はいつ出るの?
か、かーさん次の巻出たら買うわ。買ったげる。だからすぐに読ませて。読ませてお願い。
久しぶりの“THE・少女マンガ!”に、ついつい母の財布のヒモがゆるむ。そしてAmazonポチっとな。

“THE・少女マンガ!”とはいえ、いわゆる学園ラブコメ系の少女マンガではありません。
そもそも『花とゆめ』は昔からブッ飛んだ内容の話が多いものです。『なかよし』『りぼん』は子供向け、『少女フレンド』は学園モノ、そして『花とゆめ』は変わり種という極私的イメージ。
年月を経ても『花とゆめ』に登場する少女マンガは、その系譜を脈々と受け継いでいるようで・・・

ヒーローとヒロインの年齢差145歳。そして夫婦。超年の差婚。加藤茶なんて目じゃないです。
しかも、160歳の王様には首がない。
「ありえない、でもアリエールでしょ」のファンタジー系ですね。
首がないのにバカップル。この設定でまさかのいちゃデレ。ハーレクインロマンスも顔を赤らめるほどのベタ甘ストーリー。

小学生女子が夢中になったのも頷ける。そして四十路女子もまた然り。
いやっ、あのねっ!いちゃデレだけが良いんじゃなくて、ストーリもちゃんと面白いのよ!大人が読んでもちゃんと楽しめるくらいの構成がねっ、世界観とかねっ(四十路の苦しい言い訳)

惜しむらしく言えばね~、表紙絵をご覧頂いてもお分かりの通り、絵が下手っぴなんですわ!
風景とか衣装とかちゃんと綺麗なのに、何故かキャラクターの顔だけ残念。
ヒーローの首が無いという設定は、ああ、あれか。顔を書かずに読者の想像で補うためか。それは正解だな。

失礼な物言いをしておりますが、だってねえ、長いこと活躍しているマンガ家の過去の漫画を見たりすると、デビュー当時の作品ってすっごく絵がヘタクソじゃない?
ン十年も連載している漫画の第1巻を読み返してみたりすると、その下手っぴさにびっくりするような事ってあるでしょう?
(長年変わらない「ガ○スの仮面」となどもありますが)

「忘却の首と姫」を書いた惣司ろうさんは、この作品が初連載だったらしく。
Amazonのカスタマーレビューなどを見ても「ストーリーは良いが絵は下手」とか「今後の画力アップに期待」と、皆さん同じ感想を抱いているようでした。
会社でいったらまだ新人さん。相撲でいえばまだ幕下。ジャニーズならばジャニーズJr.。
経験を積んでいくにしたがって、段々と成長していくのを見守るのも、娘を含むファンにとっては楽しみのひとつだったのかも。

だからねえ、この人が早世してしまったのが惜しくてなりませぬ。
これから連載が続いて、経験を積んでも、絵は下手っぴのままだった可能性もある。
でも、下手っぴじゃなくなっていた可能性もあったんですよ。

どっちの可能性だったとしても、彼女(彼?)が得たはずの未来を、病気に取られてしまったのが可哀想だなと思うのです。
若い人が亡くなってしまうのって、残酷だなあ。
「忘却の首と姫」全7巻(未完)が未だに並ぶ娘の本棚を眺めつつ、母は世の無常を思うのでした。

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レビュアー: さくら
さくら
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