記事内に広告が含まれています

多田文明「ついていったら、だまされる」

スポンサーリンク
スポンサーリンク

振り込め詐欺にデート商法、出会い系サイトに悪質オーディション…かの「キャッチセールス評論家」が、世の中のありとあらゆるだましのテクニックを、涙ながらの体験取材で徹底解剖。
(「BOOK」データベースより)

怪しいビジネスマン

過去に当ブログで採りあげた多田文明さんの本『迷惑メール、返事をしたらこうなった。』が、ブログ内ビュー数ランキングでずっと上位をキープしているんですよ。(2019/12/20追記:Webサーバ入替につきランキングのカウントが消滅しております)

しかしながら、この理由は多田文明さんの本がベストセラーだからではない(多田さんすみません)

おそらくですが、閲覧者の大半はワークタンクの関戸さんのファンなのではないかと推測されます。
これまで関戸さん情報を求めて当ブログに来てしまった人、本当にごめんなさいね。

そういえば関戸さんったら、2017年に違う会社に転職して(会社住所は同じだけど)今はまたワークタンクに復職してるみたいですよ。
でも目に見えるメール送信元ドメインは、ワークタンクではなく転職先企業名っぽいドメインなの。

謎だわね~。土日も深夜も休みなく人材紹介メールを送り続ける関戸さんが、超ブラックな職場でいつまで働き続けられるか、それも謎よね~。

閑話休題。
本題は、ワークタンクの関戸さんではありません。関戸さんファンの方々はサヨウナラ。またのお越しをお待ちしてます。

今日の主役「ついていったら、だまされる」は、自らだまされに行っちゃうチャレンジャー多田文明さんが、ジュニア向けに書いた本です。
表題のとおり『ついていったら、だまされた』経験を紹介しつつ、これからの未来ある若者が自らと同じ轍を踏まないようにと指南する啓発本。

寸借詐欺からデート商法、出会い系メール、芸能事務所のオーディション、占いやら幸運グッズやらのスピリチュアル系…。多田さんどんどんだまされちゃう。自ら進んでだまされちゃう。

しかし、身をけずりながらも、こういった世の中にあふれるだましの手口をリポートしたおかげで、雑誌の読者にはとっても好評で一年半も連載が続いた。けれど、もともとビンボーだった上に、さらにお金がむしりとられたわけだから、生活はますます苦しくなる。—(中略)—気分はまったく、「はたらけど はたらけどなおわがくらし楽にならざり じっと手を見る」。預金通帳を見ながら、何度石川啄木の歌を口ずさんだかわからないよ。

あなたってば、なんて自己犠牲精神にあふれたお方…っ!
この御恩返しは、せめて書籍を購入して、少しなりとも印税を多田様のお手元に…!

さて。
以前にご紹介した『迷惑メール、返事をしたらこうなった。』では、結局のところ多田さんは金銭的には損をしていない(多分)のですが、こちらではしっかり身銭切ってます。

芸能事務所の登録料15万円。チャネリング体験に2千円。手相の先生へは…いくら支払ったのかな。

“だます側”として潜入したの出会い系サイトのサクラは、結局はアルバイトの面接だけで終わったようですが、でもサクラのアルバイトってやったら罪になるのかしら?ならないよねえ?ネカマになったらいけない訳じゃなし、そう考えると、出会い系サイトは詐欺とまでは言えない…のか?

二十代の女の人だと思っていても、実際には、ぼくより年上の五十代のオジサンという可能性だって十分にあるわけなんだ。その場合は男どうしで顔文字メールのやりとりをしていたことになるかもしれない。一人は出会いを求めて、もう一人は生活の糧を求めて…なんだか、やるせないよね。

この本は中高生向けのジュニア本ではありますが、大人の私たちが読んでも得るものは大きいと思います。

だってほら、今日もどこかで、イイ大人がどこかの誰かにだまされているのかもしれないからね。

じつは、だまされやすい人の多くは、「どうして?」という疑問をもたない傾向がある。いや、正確にいうと、疑問はもつのだけれども、その思いを最後までもち続けないで、途中で放り投げてしまうんだ。
—(中略)—
きみたちをだまそうとする人は、誰もがもっている「サボりたい気持ち」をうまくついてくる。本当はすぐにでもきちんと考えるべきことについて、だます人は、さまざまに話をずらしたり、すりかえたりとめまぐるしく「話を聞く人に深く考えさせない」テクニックを用いるんだ。話を聞かされる人も、「いろいろなことを言われて、なんだかめんどうくさい。考えるのは、とりあえず後回しにしよう」と思ってしまう、というわけなんだ。

毎度毎度テレビで流れるオレオレ詐欺のニュースを見ながら『毎日ニュースで言われているのに、だまされる老人は馬鹿だなあ』なんて言っちゃう人もいるけれど。

ジュニアだろうとシニアだろうと、年齢・性別・地位・頭の良し悪しに関わらず、誰しも「サボりたい気持ち」は持っています。

その気持ちにスルリと入り込まれたら、誰だって詐欺師にだまされてしまうかもしれない。

金銭を奪う詐欺だけではなくて、信条や、思想も奪われてしまうかもしれない。

多田さんは「サボりたい気持ち」からの詐欺被害から展開して、1995年のオウム真理教事件にも言及しています。

なぜ、こうも「頭が良い」とされている人間がやすやすと大量殺人にかかわってしまったのか?それにはさまざまな理由があるはずだけれども、ひとつ、たしかに言えるのは、「疑問」をもつことを封じられた「優秀さ」は、ひとたび暴走すれば、はかりしれない悲惨な結果をもたらす、ということじゃないだろうか。
—(中略)—疑問を感じなくなってしまった心は、どんなにばかげた、恐ろしい考え方すらも、「この人がそう言っているんだから」といって受け入れてしまう。誰かの考えだけが「絶対」になっていって、それをヘンだとも感じなくなってしまうんだよ。

この本が必要なのは、ジュニアだけじゃない。
そして、オレオレ詐欺の電話におびえるシニアだけでもない…と、思います。

だって「サボりたい気持ち」を、オレは持ってないと断言できる人は、どこにいるかしら?
絶対にだまされないと自信を持てる人は、どこかにいるのかしら?

タイトルとURLをコピーしました